2018年9月30日日曜日

三神峯公園のヒョウモンチョウ類

 三神峯公園に行ってきました。公園ではイチョウの葉が色づき始め、ノコンギクやアザミの花がたくさん咲いていました。
天気が良かったので、アザミの花の周りをヒョウモンチョウ類がたくさん飛んでいました。羽に黒の縁取り線のないミドリヒョウモンと思われる種類が多く見られましたが、ほとんどのチョウの羽が傷んでいました。
ウラギンヒョウモンもミドリヒョウモンとともにアザミの花の蜜を吸っていました。一方、クモガタヒョウモンは少し離れた場所に咲いているノコンギクに止まっていました。

でもやはり目立つのは、ツマグロヒョウモンです。一羽だけいました。ツマグロヒョウモンは南方系のヒョウモンチョウのようで、1980年代の北限は近畿地方だったとのことです。でも、昨年も三神峯公園で見かけていますので、仙台に定着している可能性が高いと思われます。岩手ではまだ出会っていませんので、現在は宮城県が北限になっているのでしょうか。
ョウモンチョウ族(Argynnini)の幼虫は、コヒョウモンを除いて、キントラノオ目(Malpighiales)のスミレ科(Violaceae)を宿主(食草)としているとのことですが、多食性(Polyphagy)であることから他の植物も餌として食べることができるようです1,2。特に、ツマグロヒョウモンは山野草としてのスミレ類の他、園芸種のパンジーも餌として食べることが出来ることから、生息域の拡大が可能になっているものと推定されています。
ヒョウモンチョウは目立つので、私はこの2年間たくさんの写真を撮りました。ミドリヒョウモンは樹木に産み付けられた卵で越冬し、春に孵化した幼虫が樹木を降りてスミレ類を食べ成長するようです。幼虫はまだ見たことがありませんので、これから気に留めて探して見たいと思っています。成虫についても少しずつ種類の同定も可能になってきたので、これからの遭遇を楽しみにしています。

参考)
1)Soren Nylin et al.: Evolution 68(1),105-1242013
2)Thomas J. Simonsen et al.: Biol. J. Linnean Soc., 89, 627-673(2006)

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