ついでに、畑で咲いていた小菊の花を覗いてみたところ、蜂のような昆虫が群がっていました。その中で、腹が赤く異常に膨れ上がったハエを発見しました。病気で膨れたのかなと思いつつ写真を撮り、後で調べたところ「シナヒラタヤドリバエ」1)という種類でした。
ヤドリバエ(宿り蠅)という名前は「寄生蠅」に因んでいるようです。シナヒラタヤドリバエは、スコットカメムシやエビイロカメムシに寄生するとのことです。スコットカメムシは、ミズナラやブナ、シラカンバなどに付き、エビイロカメムシはススキなどのイネ科植物に付いて樹液を吸い生活し家にも侵入する種類のようですので、ヤドリバエに頑張ってもらいたいと思いました。
この他に小菊の花に付いていた蜂のような昆虫はハナアブでした。黄色の縞模様が少しずつ異なる数種類のハナアブが群れていました。ハナアブには模様の似た種類が多くいて、その同定がかなり難しいようです。良く分かったのはオオハナアブ(Megaspis zonata)だけでした。残念ながらマルハナバチではありません。マルハナバチは、「クマンバチの飛行」で有名になった蜂なので、ぜひ見たいと思っています。これまでに数回遭遇したクマバチに似てモフモフしたハナバチなようです。
なお、マルハナバチについては「マルハナバチ国政調査研究」が2015年から行われていて目撃情報が集められています。外来種のセイヨウオオマルハナバチが1990年初めからトマト等の受粉に利用され、在来種が減少しているためのようです。これをうけ、環境省は在来種のマルハナバチを活用するための「セイヨウオオマルハナバチの代替種の利用方針」を公開しています。
岩手の畑の小菊に群れていたハナアブは、ナミハナアブやシマハナアブのようです。小菊の他に、シュウメイギクにもハナアブがたくさん止まっていました。
小さい頃、尻尾の長い大きなウジ虫がとても苦手でしたが、ハナアブの幼虫だということが分かりました。そう分かっても、花に止まっている奇麗なハナアブとウジ虫が心の中でつながりません。寄生蠅が蝶々の蛹などから生まれ出る写真もグロテスクだと思ってしまいます。昆虫はとても奥が深いです。
食料難時代に向け昆虫食も研究され始めていますので、乗り越えなければと思っています。岩手訪問の目的だったサツマイモの写真も載せます。
参考
1)岐阜大学教育学部理科教育講座地学教室:理科教材データベース、昆虫図鑑、ハエ目、ヤドリバエ科。