2017年7月15日土曜日

アブラムシはハーブの香が苦手

アブラムシにはスペシャリストとジェネラリストがあるようです。スペシャリストは、ネギアブラムシのように玉ねぎやニラなどネギ属の植物だけを餌として摂取するタイプで、ネギやニラなどの匂いに反応して集まる習性をもつようです。ジェネラリストは、モモアカアブラムシやワタアブラムシがその代表ですが広範囲の植物を餌として生活できます。

このうちスペシャリストのアブラムシは、香に反応するのでこれまで多くのことが分かっています。例えば、ハーブのローズマリーオイルはネギアブラムシに忌避効果を示し、その主成分は1,8-cineole(シネオール)という物質です。さらに、このシネオールに類似した香成分のα-ピネンやd,l-カンファーもネギアブラムシに対して忌避作用を持つことが明らかになりました。シネオールは、ヨモギやセージ、ローリエ、バジル等にも含まれているということなので、ネギのコンパニオンプラントとして、これらを植えるといいのかも知れません。


でも、ジェネラリストに対してはどのようにすれば良いのでしょうか。ジェネラリストも香りについては好き嫌いがあるようで、モモアカアブラムシの試験では、ハーブ類のロズマリーオイルやチモールオイル、ペパーミントオイル、ラベンダーオイル、オニオンオイルは、忌避効果を持つことが明らかになっています。特に、ショーガオイルの効果が強いようですが、ただ揮発性が弱いので圃場では揮発性の高いローズマリーオイルの方が高い効果を示しています。

一方、アブラムシの多くは冬の寒い時期に、樹木や永年性雑草などの一次寄主に越冬卵を生む必要があるため、秋にはそれらの植物への定着を目指し、ジェネラリストであっても、一次寄主のためのスペシャリストに変身するような仕組みも組み込まれているいるようです。あらゆる能力を駆使してそこにたどり着くのですが、さらに受精卵を生むため、雌は性フェロモンも放出するようになるとのことなので、あの小さな体に、実に多くの機能を持ち、それを全て発揮し世代を絶やさず生きているなだと実感します。すごいです。

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