2025年3月8日土曜日

牛久城跡公園のシダ植物観察と牛久沼散歩

   3月7日(金)に牛久城跡公園でシダ植物を観察した後、牛久沼まで散歩しました。シダ植物の同定は難しく、まだまだ勉強不足ですがネット等の常緑性シダ植物に関する情報と照らし合わせて推察しました。

牛久市田宮の薬師寺方面からバイパスの歩道を歩き、牛久小学校を通り過ぎ、城中町に入り牛久城跡公園内を散策しました。

牛久市田宮から牛久城跡公園へ(3月7日)

城跡公園の入り口付近にはフイリイワガネソウと思われるシダ植物がたくさん生えていました。フイリイワガネソウは全国に分布しているそうです。

フイリイワガネソウ

城跡公園のヒノキ林地内にはベニシダと思われるシダ植物が多いように感じました。葉身軸側の最下両羽片が小さいことを根拠に判断しましたが、ベニシダは春の新芽が赤くなるとのことで、その頃に再度確認したいと思っています。

牛久城跡公園のベニシダ

また、前回記載したとおり林内の中ほどにホシダの群落があります。葉身の先端が穂状になることが命名の由来のようです。

牛久城跡公園のホシダ

その他、林内には胞子を葉身の上半分に付ける特徴を持つオクマワラビと思われるシダ植物が数個体リング状に広がっていました。類似のクマワラビは胞子嚢が葉身の先端部分につき、その部分が秋になると枯れるとのことです。

牛久城跡公園のオクマワラビ(3月7日)

ベニシダによく似ているものの、最下羽片の下側が長くなるトウゴクシダと思われる個体も数個見つけました。でもまだ確証はありません。ベニシダ、オオベニシダ、トウゴクベニシダ、ハチジョウベニシダなどの識別が大変です。意識して観察します。

牛久城跡公園のトウゴクシダ

葉身軸側の最下羽片につく下向きの羽片が大きく、縦長で羽片に厚を感じるヤマイタチシダもあちこちにありました。イタチシダ類の判別も難しいです。

牛久城跡公園のヤマイタチシダ

リョウメンシダもたくさんありました。リョウメンシダは葉や胞子嚢の形態に特徴があり分かりやすいように感じています。

牛久城跡公園のリョウメンシダ

 シダ植物の新たな芽生えも発見しました。これがどういう形に成長していくのか予想もつかないのですが、そろそろ夏緑性のシダ類も芽を出し始めているのでしょうか。判別は難しいのですが、リラックスして楽しみたいと思っています。

シダ植物の芽生え(3月7日)

牛久沼は相変わらず爽やかです。散歩するたびに心が安らぎます。

牛久沼のほとりの風景(3月7日)

13時からは公民館でたまり場活動に参加するので、朝9時半出発で12時前に戻る散歩でした。約9kmで1万4千歩でした。

2025年3月5日水曜日

令和七年3月、積雪の朝日峠展望公園と小町山への登山

  3月4日(火)に土浦市の小町山に登りました。頂上は雪景色でした。

小町の館に10時頃に到着しましたが、昨日から急に寒くなり平地でも雪が降り、山沿いでは雪が積もったためか、登山者用の駐車場には数台の車しかありませんでした。

これまで暖かかったので、登山口に向かう小川沿いにある早咲きの桜の木の花がチラホラ咲いています。

土浦市小町の館駐車場周辺(3月4日)

朝日峠展望公園登山口から「おかめ岩」を経て「もみじ谷」へと向かいました。どんよりとした曇り空で風はありませんが、かなり寒いです。

登山口から「おかめ岩」を通り「もみじ谷」へ

もみじ谷の木道テラスは雪に覆われていました。数人の足跡がついています。

雪に覆われたもみじ谷の木道テラス(3月4日)

もみじ谷から道祖神や水源の森を通り朝日峠展望公園に出ました。雪に覆われた木々の葉から登山道に雪が舞い降り、足跡を消します。展望公園の草原はすっかり雪に覆われていました。数人の登山グループが景色を眺めています。

もみじ谷から道祖神、水源の森を通り朝日峠展望公園へ

雪景色の朝日峠展望公園頂上から霞ヶ浦方面を眺めながら少し休憩しました。

朝日峠展望公園頂上からの眺望(3月4日)

昨日は、牛久市で今年初めての雪が降りましたが積雪には至りませんでした。土浦方面も平地には雪は見当たらないようです。

朝日峠展望公園頂上から展望公園駐車場に降りましたが、表筑波スカイライン道路は通行禁止なのでしょうか、駐車場に車が停まっていません。

朝日峠展望公園頂上から駐車場へ(3月4日)

駐車場から下り、小町山方面への登山道を歩きましたが、登山道には雪がほとんど無いものの、林の中は雪に覆われていました。

朝日峠展望公園駐車場から小町山方面へ

ハート石分岐点からよろこぶ坂を登り11時半頃に小町山頂上に着きました。パラグライダー飛行場から雪に覆われた朝日峠展望公園頂上が良く見えます。

「よろこぶ坂」を上り小町山頂上へ(3月4日)

筑波山も雪に覆われたようです。筑波山に登るには、ここ数日アイゼンが必要なのかも知れません。

小町山頂上からの筑波山の眺望(3月4日)

小町山頂上から展望テラスに下り、尾根コースで小町の館駐車場まで戻りました。12時頃でした。

急坂の下りは登山道がすっかり濡れているので、かなり注意しながら下山しました。舗装道路を小町の館に向かうと、菜の花の黄色が地面の白色に映えて綺麗でした。

小町山展望テラスから小町の館駐車場へ

登山の途中で常緑シダ類を観察したいと思い、ベニシダやヤマイタチシダの写真を撮りましたが、中腹から雪が多くなり断念しました。

ベニシダとヤマイタチシダ
雪に覆われた常緑性シダ植物

15時に零歳の孫娘の病院予約がありましたが間に合いました。天気のいい日にまた登ります。



2025年2月19日水曜日

令和七年2月の宝篋山登山と常緑性シダ植物観察

  2月18日(火)につくば市の宝篋山に登りました。

宝篋山小田休憩所に10時20分頃に到着しました。平日でしたが駐車場は9割程度の混みようでした。

駐車場付近から宝篋山がクッキリと見えました。極楽寺コースを登り始めると沢沿いにたくさんの常緑性シダ植物が生えていましたが、下山の際に観察することにしてどんどん登りました。

小田休憩所から極楽寺コースで宝篋山登山(2月18日)

最近雨が降っていないので、登山道の土が乾いていて歩くたびに登山靴に粉塵が付きます。でも、木の葉が落ち林の向こうの景色が透けて良く見えました。

極楽寺コースで宝篋山頂上へ(2月18日)

頂上に11時10分頃に到着しました。数組の登山者・登山グループが景色を見ながら休んでおられました。時々日光が射し、澄み切った綺麗な景色でしたが、冷たい風が吹き抜けます。

宝篋山頂上からの展望(2月18日)

頂上で少し休憩した後、シダ植物を観察しながら下山を開始しました。

バイオトイレまでの登山道にはベニシダがありました。ベニシダは頂上から登山口までのいたる所に生えており、最も多く分布しているように感じました。

宝篋山頂上付近のベニシダ(常緑性シダ植物)

バイオトイレから常願寺コースとの分岐点迄の登山道では、イタチシダの仲間を数か所で見つけました。どれも小羽片の先端に鋸歯がないのでヤマイタチシダかなと思いますが良く分かりません。

宝篋山頂上付近のイタチシダの仲間

さらに急坂を下りたどり着いた中腹の平坦な登山道には、大きなウラジロの群落がありました。登山道の左右に広がっていました。

宝篋山中腹のウラジロ

中腹の登山道から沢沿いの登山道へと進むと、岩場にたくさんのシダ植物が生えていました。

朝日峠展望公園への登山道や牛久城跡公園で見つけたリョウメンシダがあちこちにありました。

宝篋山沢沿い登山道のリョウメンシダ

イノデと思われる個体も岩の隙間にたくさんありました。

宝篋山沢沿い登山道のイノデ

 大きく育ったイワガネゼンマイも目につきます。

宝篋山沢沿い登山道のイワガネゼンマイ

 ヤブソテツやオオバイノモトソウもあちこちに生えていました。

ヤブソテツとオオバイノモトソウ

 その他、直ぐには判定できそうもない常緑シダ植物も結構ありました。

宝篋山の常緑性シダ植物(2月18日)
(ジュウモンジシダやトウゴクシダ等)

小田休憩所に戻る田んぼ道で、アオジに出会いました。直ぐ近くに飛んできました。こちらの様子をうかがっているようです。

アオジ

今回は、小学1,2年生の下校サポート出発時間が公民館発14時だったので、ゆっくりとシダ観察ができませんでしたが、3月までに常緑性のシダ植物観察をもう一度したいと思っています。牛久の自宅に13時20分頃到着しました。良かったです。



2025年2月10日月曜日

冬の牛久沼散歩とシダ植物

   2月7日(月)に牛久沼まで散歩しました。

牛久市田宮町の薬師寺脇を通り、スーパーカスミ、牛久小学校を経て、牛久城大手門跡から城中町に入り牛久城跡公園を散策しました。

牛久市田宮町薬師堂方面から牛久城跡公園へ

最近シダ植物に興味を持ち始めましたが、牛久城跡公園にもたくさんのシダ植物が生えていました。

牛久城跡公園(2月7日)

ヒノキ林には、ヒメシダ科のホシダと思われる種類がたくさんありました。植物の先端に独立した穂状の羽片がついています。胞子をつける葉柄とつけない葉柄があるようで、胞子をつける葉柄の葉は少し細いようです。

牛久城跡公園のヒメシダ科ホシダ(2月7日)

イワガネソウも道端にたくさん生えていました。

牛久城跡公園のイワガネソウ(2月7日)

リョウメンシダも数株見つけました。

牛久城跡公園のリョウメンシダ

崖付近にはオオバイノモトソウの群落がありました。胞子をつける細葉の胞子葉株とつけない広い葉の栄養葉株が混ざり合って生えていました。

牛久城跡公園のオオバイノモトソウ

オシダ科のヤブソテツもオオバイノモトソウと共にたくさんありました。

牛久城跡公園のヤブソテツ

オオバイノモトソウとヤブソテツは同じ場所に生える傾向があるように感じました。ヤブソテツとオニヤブソテツの区別は難しいようですが、葉に鋸歯がほとんどないのがヤブソテツとのことなので、ヤブソテツとしました。

少し風の強い日でしたが、冬の牛久沼のほとりは見晴らしよく、遠くまで見渡すことが出来ます。

冬の牛久城跡公園のほとり(2月7日)

牛久沼から河童の碑に向かいましたが、途中でこれまであまり見たことの無い特徴のあるシダを見つけました。後で調べるとヤマイタチシダのようです。ヤマイタチシダとオオイタチシダは混同されるようですが、オオイタチシダの羽片の先端には鋸歯があるようです。

牛久沼のほとりのヤマイタチシダ

また、シダ植物とは思えないような姿のチャセンシダ科チャセンシダ属のトラノオシダと思われる個体も見つけました。

牛久沼のほとりのトラノオシダ

シダ植物の奥は深いです。

筑波山のシダ植物の調査報告1)では54種が記載されていて、そのうちシダらしい姿を持つ種類は35種のようですが、どれもよく似ています。直ぐにはとても分かりそうにありませんが、少しずつ勉強します。

牛久城跡には区別がつきにくい、いわゆるシダ類が結構ありましたので、また後日調べて見たいと思っています。

仙台市にいた際には冬の散歩で山野草はほとんど枯れてしまうので地衣類に注目しましたが、牛久市周辺には冬でもシダ植物がたくさん生えているので、春まで歩き回ります。

 

参考)

1)小幡 和男ら : 筑波山におけるシダ植物の垂直分布、茨城県自然博物館研究報告、23, 29-39 (2020)

2025年2月8日土曜日

小町の館から朝日峠展望公園と小町山へのハイキングとシダ植物

  2月4日(火)9時半頃に土浦市の小町の館に車を置き、朝日峠展望公園頂上から小町山頂上まで周って下山するコースをハイキングしました。

朝日峠展望公園への登山口にはたくさんのシダ植物が生えていました。これまであまり気に留めていなかったのですが、冬季は昆虫に出会う機会も少なく、草花も見当たらないので、少し調べて見たいと思うようになりました。

朝日峠展望公園への登山口のシダ植物(2月4日)

シダ植物の系統的な分類については現在でも議論がなされているとのことですが、日本で良く利用されている「日本産シダ植物インデックス」1)の分類に従い和名を検索・予想しました。筑波山のシダ植物についての調査報告2)もあるのでありがたいです。

登山口にあるシダ植物の中で良く見かけるタイプの「シダ」は、オシダ科のベニシダによく似ています。

オシダ科ベニシダ

これまで「シダ」だと思っていなかった笹状の柔らかいシダ植物はイノモトソウ科のオオバノイノモトソウのようです。一方、イノモトソウの軸には翼があるとのことですので区別できます。

イノモトソウ科オオバノイノモトソウ

登山口から「おかめ岩」まで登る途中の登山道脇にホウライシダ科のイワガネゼンマイと思われるシダ植物がたくさん生えていました。

ホウライシダ科イワガネゼンマイ

イノデ科のアスカイノデと思われる個体も沢沿いにポツンとありました。

アスカイノデは海岸に近い地域に生えるようです。(2月20日)

イノデ科アスカイノデ

沢沿いの登山道には、オシダ科のリョウメンシダと思われるシダ植物が数個体ありました。

オシダ科リョウメンシダ

また、コバノイシカグマ科のフモトシダによく似た個体も生えていました。

コバノイシカグマ科フモトシダ

おかめ岩からもみじ谷を経由して道祖伸前の東小屋、水源の森を通り朝日峠展望公園頂上に登りました。快晴の日でしたので朝日峠展望公園頂上から見える霞ヶ浦はキラキラ光っていました。きれいでした。

もみじ谷から朝日峠展望公園頂上へ(2月4日)

展望公園までの登山道ではオシダ科のベニシダによく似た個体がたくさんありました。また、リョウメンシダやオオバノイノモトソウと思われる野草も結構見つかりました。

オシダ科ハチジョウベニシダ?

展望公園からヒノキ林を通りハート石分岐点まで歩きましたが、ヒノキ林にはたくさんのシダ植物が生えています。表葉に裏葉の胞子嚢のふくらみが明瞭に出るハチジョウベニシダによく似た個体が多いように思うのですが、種類も多すぎます。この場所はこれまでも良く通るので次の機会に調べたいと思っています。ベニシダとハチジョウベニシダはよく似ているので、胞子数(ベニシダ32個、ハチジョウベニシダ64個)を数えて同定するようです。国立科学博物館筑波実験植物園でベニシダとハチジョウベニシダを観察しましたが、よく似ています。まだまだ経験不足です。(2月13日))

展望公園からヒノキ林を通り小町山へ
 ハート石分岐点からよろこぶ坂を通り小町山頂上に登りましたが、頂上のパラグライダー飛行場から朝日峠展望公園がスッキリと見えました。

ハート石分岐点から小町山頂上へ(2月4日)

たくさんの写真を撮りながらでしたが、11時半頃には駐車場に戻ることが出来ました。約1万歩7km、124階(124x3m)のハイキングでした。

 

参考)

1)Ebihara A.  Kasetani F : Index to Ferns and Lycophytes of Japan.

2)小幡 和男ら : 筑波山におけるシダ植物の垂直分布、茨城県自然博物館研究報告、23, 29-39 (2020)