2018年5月22日火曜日

播種20日後の豆類の様子

  豆類の種子を播いてから20日目の畑を見てきました。大きな豆の白花豆や花豆、それにインゲンマメ類の虎豆、モロッコ豆、金時豆は初生葉が大きくなり、そろそろ本葉が伸び始める勢いでした。くらかけ豆(パンダ豆、鞍掛豆)や茶豆、黒大豆、黄大豆などは子葉が地上に展開し、これから初生葉が伸びようとしている段階でした。見かけ上は、順調のようです。 


ただしかし、岩手県における大豆の栽培法を見ると、播種は6月初~中旬ということになっているので、今後が心配です。それぞれについてしっかり観察して見ようと思っています。


豆類には、出芽の際に①下胚軸(epicotyl)が伸びて子葉を地表面より高い位置に押し上げるタイプ(epigeal)と、②下胚軸が伸びず上胚軸(hypocotyl)が伸長して地上に現れ、子葉は地中に留まるタイプ(hypogeal)、③子葉が地表の表面に留まる中間タイプの3タイプがあるそうです。今回、様々な豆類を植えましたが良く見ると、子葉が地上に出ない②タイプの白花豆と花豆においては初生葉がしっかりと出ている様子でした。一方、子葉が地上に出る①タイプの豆ではモロッコ豆、金時豆、虎豆などインゲン類において新生葉が出ており、大豆類の黒大豆や茶豆、くらかけ豆(パンダ豆、鞍掛豆)では、まだ新生葉の展開が見られませんでした。なおしばらくの間、鞍掛豆とパンダ豆を混同していましたので、修正しました。パンダ豆は白と黒の2色の豆でのようで、入手できていませんでした。


これまでのところ、幸いなことにキジバトによる鳥害は、まだほとんど見られませんでした。大豆の子葉2枚をハトに食べられると収量は半減し、子葉1枚なら25%減になるとのことです。発芽した大豆を抜き取ることも良くあるそうなので、ハトに大豆畑を見つけられたら大変なことになります。農研機構が実施した茨城県でのデータによると大豆のハトによる鳥害は5月に多くなり6月に低下するとのことです1)。ハトの胃の内容物を調査したところ、6月には麦類が多くなるとのことで、この時期に大豆を播種し鳥害を避けるという工夫は合理的なようです。

5月20日の朝は冷え、畑付近から見える岩手山の頂上付近には再び雪が積もり、岩手山は雪の帽子を被った状況になりましたが、その後晴天になり雪はかなり溶け、21日には田植えの合図になる雪形が再び現れました。晴天の中、郷里ではあちこちで田植えが行われていました。


 今回、畑で出会った昆虫は少なかったのですが、ナス科の大敵ニジュウヤホシテントウも活動を始めたようです。その他にベニシジミやハナアブ、春の蛾の写真を撮りました。ハナアブと蛾の種類は良く分りませんので、後で整理したいと思っています。


 今年の冬には記録的な寒さの日が数回ありましたが、そのためだと思いますが、近所の10m位の高さのキササゲやモミジの木が枯死してしまったようでした(6月には芽が出ました。寒冷死ではなかったようです)。一方、シャクナゲはいつになく大きな花を咲かせていました。



 その後、キササゲの木を6月24日に確認したところ、若葉が出ていました。キササゲの木の芽吹きは他の木に比べて芽吹きの時期がだいぶ遅いため、枯死したものと勘違いしてしまいました。モミジの木は枯れてしまいましたが、以前から元気がありませんでした。寒冷のための枯れ死は、はやとちりでした。

参考) 
1)松岡 茂ら:日鳥学誌、36551987

2018年5月14日月曜日

笊川のスミレとフランスのスミレ産業

  春一番に咲く花の一つにスミレがあります。笊川のほとりには比較的大きな白いスミレの花がたくさん咲いていました。また中心部が紫色に染まった花も見つかりました。後で、調べてみるとアメリカスミレサイシンのようです。どちらも茎が見当たらず葉も花も地面から直接出ているように見え、花の側弁の基部にたくさんの毛状の突起が確認できます。5月中旬には草に隠れてしまい全く見えませんが、草をかき分けて探すと20cm以上の草丈になっていました。




また、タチツボスミレと思われる花も見つかりました。その他、ところどころにスミレの群落がありましたが、区別がつきません。日本には60種程のスミレがあるとのことで、その識別はかなり難しいようです。




形態だけからでは種の分別が難しいので、化学成分による分類を検討した例がありました。花弁の紫色を形成する色素のアントシアニンの組成や、葉のフラボノイド類を詳細に分析すると、種類の同定に役立つようです1)。もちろん遺伝子(DNA)の分析の方がむしろ簡便で威力を発揮するものと思いますが、論文を見つけることはできませんでした。

 スミレは、種をネズミに運んでもらって広がる特徴があるということで有名になっています。種にエライオソーム(Elaiosome)と呼ばれる白い炭水化物の塊がしっかりと付いていているので、これを蟻が幼虫の餌として利用するために巣の中に運び、食べ滓の種は巣から外に放り出すとのことです。アケビやカタクリ、ヒメオドリコソウなどの種にもエライオソームがくっついているとのことで、植物のしたたかな生存戦略を垣間見ることができます。

 残念ながらスミレの種ではないのですが、エンレイソウ等のエライオソームに関する最近の研究報告がありました。それによると、蟻はエライオソームの品質や栄養的メリットについては識別ができず、オレイン酸をエライオソームのシグナルとして認識しているようだとの結論になっていました。使用した4種の中で蟻のコロニーの繁殖効果が最も少ないものの、オレイン酸を多く含むエライオソームを持つ種を選んで巣に運んだということでした2)

 スミレは日本でとても人気があります。でも、産業利用はされていません。最近は、スミレの栄養学的な価値や人間の健康に対する機能についての報告が各国から出されるようになっています。産業的な利用を目指した取り組みを最も活発に行っている国はフランスのようです。フランスの第四の都市といわれるトゥールーズは紋章にスミレを用いており、毎年2月の第一日曜日には「スミレフェスティバル」を開催する都市として知られています。そこにあるフランス国立農学研究所のトゥールーズ研究センターでは「The Viola Tolosa(トゥールーズ) project」を2016年度まで実施し、①120種のスミレを用いた化学分類学の指標としての香気成分に関する研究、②産業的利用を目指したスミレの化学成分の機能性に関する研究などを行っていたようです。



 ヨーロッパには、紀元前4世紀のギリシャでスミレが販売されアテネの紋章になっていたとか、ナポレオン ボナパルトが1814年に亡くなった妻ジョセフィンの墓をスミレで覆って飾り、自分のしるし(目印)となる花(Signature of Flower)にしていたなどの言い伝えがあります3)。ヨーロッパでは、昔からスミレがバラの花に次ぐ地位にあったようです。

 スミレは見て楽しむ花だと思っていましたが、様々な利用価値があることが分かりました。日本でも産業的な利用が行われるようになり、春一番に咲くスミレの町や市があってもいいかなと思いました。既にあるのかな。後で調べます。

参考)
) Ken Iinuma, et al.: Eco-Engineering 24(4), 105(2012)
2)Kyle M. et al.: PLOS One, 8(8), e71871(2013)
) Byron Rhona Wells, Soap Perfum. Cosmet., 79(7),28(2006)   

2018年5月12日土曜日

春の太白山登山

  太白自然観察の森の駐車場に車を止め太白山に登ってきました。熟年の夫婦、若いカップルや小学生連れ家族など結構登山者がいました。私が登った時間内では10グループぐらいと挨拶を交わしたと思います。ふもとの神社から20分程度で登頂できるので、仙台の方々には結構人気があるようです。でも実際は、かなり勾配がきつく、登山者のために太い鎖のガイドが設置しているほどなので、あなどってはいけません。

とりあえず、登山口の阿吽の狛犬のところから登り始めましたが、無事登頂でき、昼食でオニギリを食べました。頂上で目にとまったのは、岩かげに咲いていたフデリンドウでした。岩陰にひっそりと咲いていました。気づいた人はたぶんあまりいないように思います。結構感激しました。頂上では、なぜかヒカゲ蝶が乱舞していたのでその写真も撮りました。


 太白山には、東日本大震災の前に毎年数回登っていましたが、震災後しばらく登山禁止になったこともあり、私の震災後の登山はたぶん今回で2回目だと思います。今日の印象では、震災前の頃のような登山者の数になっていないように思います。太白山の周囲は自然観察の森にもなっているので、もっと利用されればいいのにと思っています。

 今日は、自然観察の森から太白山に向かう途中で海外のコーカシアングループにも出会いました、10人以上いたと思いますがゆっくりと談笑しながら自然を楽しんでいました。すれ違ったとき、私に「こんにちわ」と挨拶してくれました。気軽に自然を楽しめる安全な場所なのでこれからは、海外の方々も多くなるのでしょうか。

 個人的には、山野草の写真を撮りたかったのですが、ラショウモンカズラや姫シャガ、チゴユリ、マムシグサ、ウワバミソウ、ワスレナグサ、キランソウ、カキドウシ、それにナラの幼木に付いた「虫えい」などたくさんの写真を撮ることができ、ほぼ満足できる登山になりました。


 太白自然観察の森は、私が良く散歩している笊川の源流になっているので、特に親近感を持っています。笊川散歩の続きのような想いです。

2018年5月11日金曜日

春の雑木林の草花、マイヅルソウやエンレイソウなど

  岩手に帰り近くの雑木林を散策しました。雑木林散策はいつも楽しみですが、特に春と秋は格別です。林に入るとタラの芽は最盛期のようでしたが、閑散として遠くまで見渡すことができました。

少し離れた場所にぽつんと緑の群落があり、近づいてみるとマイヅルソウでした。残念ながら花はまだ蕾でしたが、数日後には開花しやがて赤い実をつけることでしょう。



真ん中に茶色の花をつけたエンレイソウと白花のミヤマエンレイソウにも出会いました。隣り合って小さな群落を形成しています。種がこぼれて増えたのでしょうか。



ニリンソウの花も咲いていました。ニリンソウは葉に白い斑点があるので分かりやすく、食用として採取されることもあるそうですが、トリカブトと良く似ているので誤食事故があるそうです。ニリンソウの葉に白い斑点がなければ、見分けがつかない程似ているとのことです。


 ニリンソウの群落の中に見慣れない大きな花をつけた植物が数本ありました。ニリンソウの花の5倍以上にもなる青い花弁が6片うなだれたように下がっていました。葉もかなり大きいのですが、葉の形や花の付き方からイチリンソウ属だろうと思いました。ネットで探しても同じものは見つかりません。後で、実の状態なども観察しようと思っています。


その後、以前に撮った写真を探したところ、同じ場所付近にキクザキイチゲが咲いていましたので、この花はキクザキイチゲの花が終わりを迎え大きく成長したものだろうと思っています。

 ヘビイチゴの黄色い花も咲いていました。良く見ると可憐でかわいい花です。小さいころヘビイチゴは毒だと思っていました。たぶん名前に蛇が付いているので、子供たちは遠ざけていたのかなと思っています。ジャムなどに加工して食べる地域もあり、漢方の生薬にもなっているとのことですので、今になってようやく子供のころの悪印象を払拭した思いです。


2018年5月10日木曜日

畑に豆類の種を蒔きました

  4月28日から5月2日まで岩手に行って畑を耕しました。今年は、豆の成長を観察したいと思い、大福豆や花豆など大きな豆からうずら豆、くらかけ、金時豆など珍しい豆類、さらに黒豆と大豆までたくさんの種類を播いて見ました。「黒豆と大豆を並べて育てると雑種になるよ」との助言もありましたので、狭い畑に多くの種類を植えたらどんなことになるのか楽しみです。



まだ田植え前の時期なのですが、畑ではスイセンが綺麗に咲いていました。また、シソ科のヒメオドリコソウも群落を形成し元気に花をつけ、葉にはモンキチョウが止まっていました。同じシソ科のカキドウシもたくさん咲いています。仙台の笊川で見たカキドウシの花とは赤色の模様が違うので、チャンスがあれば様々な場所で花の模様を観察したいと思いました。シロバナのスミレも咲いています。





この時期は、小さな雑草が一斉に花を咲かせるので、その観察を楽しみにしています。でも、畑にはほとんど雑草がないので、豆の芽がでると鳥の餌食になるとも言われているので、実は少し心配しています。次回はいつ畑に来ることができるかなー。

2018年4月25日水曜日

春の笊川ほとりの草花、シソ目とその機能

  4月21日には、仙台市体育館に隣接した富沢運動公園や笊川を散歩して草花の写真をとりました。運動公園にはムラサキサギコケが咲いていました。ずーと前、子供たちが幼稚園の頃、田んぼ一面にムラサキサギコケが咲いていたのを懐かしく思い出しました。ムラサキサギコケはシソ目ハエドクソウ科に属するそうです。



笊川のほとりを歩いているとムラサキサギゴケとよく似た花が目に留まりました。でも、葉が丸い形をしています。家に帰って調べたところツタバウンランであることが分かりました。やはり同じシソ目ですがオオバコ科に属するようです。オオバコとは全く違うようも見えますが、オオバコ科はかなり多様性があるようで、イヌノフグリやオオイヌノフグリも同じ仲間だということです。



また、カキドオシも満開でした。小さなカキドオシが所狭しと生えています。カキドオシはシソ目シソ科のカキドオシ属に属するそうです。梅干しなどに使用する紫の葉のシソはシソ目シソ科シソ属なので正真正銘のシソということになります。でもカキドオシの花はかなりシソに似ています。



カキドオシは、摘採後に乾燥してカキドオシ茶としてハーブのように利用されるそうなので大変興味を持ちました。まだまだ小さなカキドオシですが、夏に向けて弦を伸ばしてどんどん成長し、ヤブガラシとまではいかないもののたくましく育つ雑草なので、その有用性が明らかになればいいなと思い調べました。カキドオシには、シソ科に特有な成分である抗酸化成分のロズマリン酸のほかにトリテルペノイドの一種であるウルソール酸やオレアノール酸を含1)むとのことです。オリーブ果実に含有されるトリテルペノイドのマスリン酸2)にはサルコペニア等の予防作用があるものとして注目され、すでに商品化されていますので、期待が持てます。


後で、調べてみたいと思います。

参考)
1)H.Tokuda et al.: Cancer Letters, 33(3), 279(1986)
2)S.Fukumitsu et al.: J. Clin. Biochm. Nutr., 61(1), 67(2017)

2018年4月23日月曜日

笊川のコガタルリハムシのライフサイクル

   ハリルホジッチ監督の通訳をしておられた樋渡 群さんがハリルホジッチ監督の記者会見の際におもわず涙を流したことが話題になっています。その風貌から海外の方かなと思ってテレビを観ていたところ、日本人樋渡(ひわたし)さんとのことで、何故か凄く感動しました。信じて心を通わせることのできる人なんだなと思いました。不倫騒動やセクハラ騒動とは全く対照的で、ホットしました。

桜が散った笊川にはアッという間に、草花や昆虫が活動し始めています。4月20日に出会ったベニシジミやコガタルリハムシは仙台では年中枯れることのないギシギシを主食とする昆虫だったことを初めて知りました。だから、いち早く活動することができた訳です。

まだ詳しい種分別はできていませんが、牧草地に多く生えているもののシュウ酸が多くて牛はあまり食べることのない外来種のエゾノギシギシなどスイバ属の植物は、牧草地では嫌われている訳なので、その除去が期待されているということも良く理解できます。

そのスイバ属の「除草昆虫」として、スイバ属を主食とするコガタルリハムシが注目されたことは理解できます。でも、その休眠形態はあまりにも不思議すぎます。哺乳類の休眠に関する研究によると、休眠には環境変化を感じて休眠をするタイプと、環境変化に左右されず年周性に基づき、休眠するタイプがあるようです。コガタルリハムシは6月後半から春になる4月までの十ヵ月休眠するとのことなので、その仕組みをぜひ解き明かして欲しいと思っています。



冬眠を研究し、シマリスの血液から冬季に脳に移行する冬眠たん白質1
Hibermation-specific protein)を発見した近藤先生によると、10匹のシマリスのうち1匹ぐらい冬眠しないものがいて、それは短命であったということです。昆虫の仕組みと動物の仕組みを比べるなどして、冬眠のみならず「クマノミの乾眠」も含めて解明がすることを楽しみにしています。

笊川には、ギシギシアブラムシの発生に合わせて、ナナホシテントウとナミテントウが確認できました。
これから、笊川の昆虫はしばしば報告することになると思います。

参考)
1)Hideaki Kondo, et al. : Cell, 125,161(2006)

2018年4月22日日曜日

除草昆虫としてのコガタルリハムシ

 今日4月22日(日)には、冬季オリンピックのフィギャースケートで2連覇を果たした羽生弓弦選手のパレードがありました。10万人以上の人出があったようです。大リーグのロサンゼルス・エンジェルスの大谷選手もそうですが、東北出身の若者が世界から注目されていることが、ほんとうに力になります。これからも注目します。
 笊川のほとりを冬の間も時々散歩していましたが、目につく雑草はギシギシあるいはノダイオウなどスイバ属でした。タデ科スイバ属の、スイバ、ギシギシ、ノダイオウ類の識別はかなり難しく、私は今現在ほぼ区別ができていません。

 4月20日(金)は晴天だったので笊川のほとりを散歩しましたが、その際、モンキチョウやモンシロチョウがそれぞれ数羽飛び回っていました。激しく飛び回るので写真は撮れませんでしたが、運よくベニシジミの写真を撮ることができました。


 ベニシジミの幼虫の餌はギシギシなどスイバ属の植物だということです。ギシギシなどは、仙台では冬の間も枯れることなく地面にへばり付き頑張っているので、ベニシジミは春一番の蝶として飛び回ることができる訳です。
 
 4月20日には、このギシギシの茎にギシギシアブラムシ(Aphid rumicis)が黒く群れいるものが数本見つかり、また、ギシギシを主食とするコガタルリハムシ(Gastrophysa asrocyanea)の成虫や卵も確認できました。その周囲を観察すると、ギシギシの葉が見る影もないほどの食害にあっているものもあり、黒いコガタルリハムシの幼虫が葉全体を食べ尽くしていました。仙台ではもう植物と昆虫の戦争が始まっていることが見て取れます。つい最近までとても寒くて、昆虫は越冬に苦しんでいるだろうと思っていましたが、桜の開花とともに植物も昆虫も一斉に目覚めたようです。









 実は、コガタルリハムシは極めて特殊な生活史を持つ昆虫のようです。写真に写っている黒い幼虫はいったん土に潜って蛹になり、土の中で成虫になり、6月中旬に地上に出てギシギシを1週間程度食べ、再度ギシギシの根付近6~10cmの土中に潜り休眠に入るとのことです。休眠から目覚めるのが翌年とのことなので、私が写真に撮った成虫は十ヵ月に及ぶ休眠からようやく目覚めてギシギシを食べ、卵を産む準備をしていたということになります。


 おもしろいことに、コガタルリハムシはギシギシを専門に食べる昆虫なので、これを牧草畑のギシギシ退治に利用することが検討されたようです1)。「除草昆虫」というアイデアです。残念ながら、まだ実用化には至っていないようですが、コガタルリハムシに関する研究が進展することによって、このコガタルリハムシがシュウ酸を多量に含有するギシギシを食べて生存できる仕組みの一端が解明されたとのことです。コガタルリハムシはシュウ酸をピルビン酸に変え、さらに乳酸に変換して最終的にエネルギー源として利用しているとのことです。

 シュウ酸は、タデ科のみならずアカザ科にも多く、日常よく食するホウレンソウにも多いことで有名で、人間にとっては「アク」として嫌がられている訳ですが、昆虫は動物が嫌がる植物を選び、それを主食とする生存戦略で生き延びている訳で、本当に感心します。

参考)
1)石黒慎一ら:蚕糸・昆虫バイオテック、84(2)1452015



2018年4月21日土曜日

仙台博物館に行きました

  4月20日は仙台市の博物館に行き、手仕事の日本(柳宗悦のまなざし)展を見ました。柳宗悦は日本各地の手仕事を見歩き、「本物」との出会いを楽しみ収集し、日本民芸の祖と呼ばれるようになったことは知っていましたが、そのコレクションや活動の実態について、これまで出会い知る機会はありませんでした。 
   私が幼いころに身の回りにあった生活用品が、実は郷里の民芸品であったこと知り、ほんとうに驚きました。親戚のおじいさんがよくもってきた竹籠や、茶わんを入れる木造の籠、藁や樹皮で作ったミノ・ケラなどは、実はかなり手の込んだもので、どれも上手に作るには相当の経験が必要だったことをあらためて実感しました。展示されているものは、芸術品に相応しいものだと思いました。実は、生活必需品の多くに創意工夫があり、地域の伝統工芸品として日本各地で発展していたことを知り、尻をたたかれたように思いました。 
 帰り道、日本のスケート発祥の地といわれている池と反対側の斜面に、エンレイソウの群落がありました。エンレイソウは結構珍しい野草なので写真を撮りました。また松の実が発芽し、たくさん芽が出ていたので写真を撮りましたが、残念ながらこれらが大木になることはないのでしょう。



 仙台駅まで歩く途中の西公園付近で、カラスのエンドウとスズメノエンドウが勢いよく茂っていました。青葉通りの欅も新緑となり、春爛漫の仙台でした。


2018年4月19日木曜日

今年は、去年のジャガイモから豆に変更

 私の散歩コースの笊川や三神峯公園の桜は4月10日ごろに満開になり、笊川のほとりではイヌノフグリやヒメオドリコソウなどがあちこちに咲いていました。また、三神峯公園ではカタクリの群落も満開になり、ウキウキとした「春の感覚」を久しぶりに味わいました。





 4月14日(土)には、郷里の岩手に行きましたが、残念ながら桜の花はまだまだつぼみのままでした。桜の花は5月の連休の少し前に咲くのが通例なので、当然かもしれません。でも、田植え用の苗の播種がビニールハウス内で盛んに行われていて、北国もいよいよ農作業の始まりだなと感じました。

昨年はジャガイモを植えて、その様子を見ながら昆虫にフォーカスしてブログを綴りましたが、今年は豆や「変わった野菜類」を植えてみようと思っています。豆について、まだほとんど知識はありませんが「公益財団法人豆類協会」1)によると、日本で流通している主な豆科(Fabaceae)種実は、ササガ属、インゲンマメ属、ソラマメ属、エンドウ属、ヒヨコマメ属、ヒラマメ属、ダイズ属、ラッカセイ属の8属に分類できるとのことで、豆類協会はそれらに属する94種類の写真を公開しています。私はそれらの中からベニバナインゲン種の白花豆と紫花豆、インゲンマメ種の虎豆、ダイズ種の黄ダイズ、黒大豆の栽培に挑戦してみたいと思い、岩手や宮城の道の駅で既に入手していますが、どうなることやら。

5月の連休には再度岩手に戻り種播きをする予定ですが、たくさんの失敗談が書けるのではないかと思います。

私の家庭菜園は高速道路経由で3時間の遠距離にありますので「遠距離家庭菜園」と呼ぶことにしていますが、イタリアにはパソコンから指令できる「遠距離家庭菜園」があるそうです。これは家庭菜園を保有する企業が希望者に菜園の一区画を提供し、その管理をパソコンから指示できる仕組みにしたもので、菜園の状況はパソコンで随時観察できるそうです。都会人にとっては、労力が不要で安全・安心な作物を得ることのできる理想的な家庭菜園かもしれませんが、失敗が許されないような雰囲気を感じます。一方、私の家庭菜園は運動不足の解消や昆虫・雑草の観察も兼ねているものなので、収穫があったらもうけものというゆるい感覚ですので、それとはかなり異なります。帰郷を兼ねた作業なのでいつも楽しみにしています。

 参考)
1)https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html