2018年6月14日木曜日

三神峯公園のクマバチやジョウカイボン


久しぶりに三神峯公園を散歩しました。公園中心部の芝地は整理され広々としていましたが、周りの草地はすっかりブタナに占領されていました。これまではアカツメクサ(紫クローバ)やヒメジョオンが多かったのですが、改めてブタナの旺盛な繁殖力に驚きました。

草花が一面に咲いていましたので、様々な昆虫を見ることができるものと期待してあちこち歩いたところ、最初にクマバチ(carpenter bee)に遭遇しました。アカツメクサにしがみつき蜜を吸っていました。クマバチは、大工のように木に穴を開けて巣を作るとのことですが、ミツバチ科の昆虫なので雌は巣の中に6-10個の卵を産み花粉団子などの餌も準備しておくとのことです。おかげで、孵化した幼虫は巣の中で母が準備した餌を食べて育ち、成虫になってから外に飛び出すことができるようです。成虫の寿命は7週間のようですが産卵後すぐに死んでしまうとのことですので少しかわいそうな気がします。



さらに歩いているとアゲハチョウが飛んでいました。アゲハチョウの写真はなかなか撮れないのですが、運よくイタドリの葉に止まってくれました。良く見ると左右のしっぽのような羽はちぎれています。優雅に見えますが結構体を張って生きていることが見て取れます。ナミアゲハとキアゲハは前羽の付け根の縞模様の有無で区別できるようですが、今回のアゲハには縞模様があるのでナミアゲハ(Papilio xuthus)のようです。ナミアゲハはかんきつ類やサンショウの葉に産卵し、キアゲハはパセリやニンジンなどのセリ科植物に産卵するとのことです。アゲハ類の前脚には味を感じる器官があり、ナミアゲハはシネフリン,スタチュドリン、ナリルチン、キロイノシトール、トリプタミン誘導体など5種類の混合物を認識して産卵することが最近明らかにされています1)。仙台では、カラタチやサンショウの葉に産卵しているのでしょうか。餌となる植物の所在も気になります。


さらに、樹木の生えている場所に移動したところ数匹のヒカゲチョウ類が飛んで逃げました。そのうち一匹について写真を撮ることができましたが、後で調べたところ、これまでに数回遭遇しているヒメウラナミジャノメでした。


道に沿って樹木の枝や葉も見て回り、見つけた昆虫を手当たり次第に写真に撮り後で調べたところ、シマサシガメやナシカメムシ、オオヒメハナカマキリジョウカイボンでした。それぞれ、一匹ずつ孤立しほとんど歩くこともなくじっとしていましたので写真は撮りやすかったのですが、相変わらず小さな被写体に対してピントを合わせるのは難しいです。


ジョウカイボン
蝶々や蛾の幼虫である毛虫は結構見かけるものの、写真を撮ることはこれまで避けていましたが、かなり奇抜な形態の毛虫がいたので写真を撮ってみました。後で調べたところ、ヒメシロモンドクガの幼虫でした。毒はそんなに強くないとのことですが、触るな、食べるなという毛虫の意思が伝わってきます。鳥も食べないのではないかと思いますが、どうでしょうか。


 昆虫の季節はこれからのようです。今回は、どこを見ても「花だらけ」の草地でしたが、蝶々や昆虫の影はまばらという感じでした。

  今日も散歩される方々がおられましたが、憩いの場としてまたお世話になります。
参考)
1)Ryuda M., et al.: J. Neurosci., 33(3), 914(2013)

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