2020年4月29日水曜日

密にならないように牛久沼散歩しました 河童もマスク


今日(4月29日)は晴天だったので自宅から牛久城跡を経て牛久沼まで散歩しました。外出自粛のアナウンスが防災行政無線で放送されていましたので、ほとんどすれ違う人もいなかったのですが、ごめんなさいと思いながらの散歩でした。

 牛久沼のアヤメ苑まで歩き、三日月橋を見上げたところ、橋の欄干の河童さんもマスクをしていました。少しほっこりしました。
マスクをした牛久沼三日月橋欄干の河童さん
 各地にあるお地蔵さんも、たぶんマスクをしているのでしょう。そういう一体感を感じました。

 いつも、散歩の際、気になった草花や昆虫を手あたり次第写真に撮ることにしています。

 今日は、牛久城跡の草地でたくさんのハナムグリに出会いました。実は、キンカメムシに会いたいと思っていたので、足元に飛んできた虫の甲羅が緑色だったので、期待して結構慌ててしまいました。でも残念、ハナムグリでした。相当数のハナムグリが足元で飛び交っていました。先週まではハナムグリを見かけていませんでしたので、牛久周辺ではこの時期からハナムグリが活動を始めるのだろうと思いました。



  
コアオハナムグリ
  牛久城跡ではヤマトシジミがたくさん飛んでいました。また、いたるところでベニシジミを見かけました。モンシロチョウやモンキチョウも飛び交っていました。
ベニシジミとヤマトシジミ
モンシロチョウ
  思いがけずクロアゲハにも出会いました。偶然ですが、アヤメ苑のアザレアの花の蜜を吸っていました。でも、世話しなく動き回るので写真を撮るのが大変でした。アカタテハもいました。
クロアゲハ
 
ヒメアカタテハ

 今まで気づかなかったのですが、可憐なアカバナユウゲショウの花が今回は道端で特に目立っていました。藤の花も咲き始めました。これから益々多くの草花や昆虫に出会えるものと思っています。
アカバナユウゲショウ
藤の花

 新型コロナで大変な状況ですが、いつものように自然は時を刻んでいます。新型コロナも自然の産物だと思いますので、きっとまもなく乗り越えられるだろうと信じることにしています。

2020年4月28日火曜日

検査率の高いアイスランドの新型コロナウイルス不顕性感染者(無症状病原体保持者) 「早く感染すると損です」


新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき4月16日に47都道府県すべてに緊急事態宣言が発令されました。5月6日まで実施されるとのことです。その後、感染者は3,906人(4月7日発表)から20日間で13,385人(4月27日発表)に増加しているものの、ここ数日間は1日の増加数が少なく推移していることなどから、現在は5月6日以後も緊急事態宣言を継続するかどうかが注目されています。

新型コロナウイルスに関する最も大きな問題点は、インフルエンザでは稀な無症状病原体保有者(無症候性キャリア)がかなりいて、これが特定不能な感染源になっていることのようです。厚生労働省の発表によると4月27日現在940名が無症状病原体保有者で、検査で確定した陽性者の7%に相当するとのことです。

でも、この無症状病原体保持者7%の値は、厳格な検査実施基準の下で、主に感染者への濃厚接触者に対する検査によって確認されたものであると推定されることから、かなり低い値になっているものと思われます。

そこで、無症状病原体保持者に関する調査報告について調べてみました。その結果、横浜港に停泊していたダイアモンドプリンセス号での調査1)では17.9%が無症状病原菌保持者で、武漢からの日本人帰国者ではそれが30.8%だということです2)。それぞれの調査対象群の平均年齢は異なりますし、また当然ながら就学中の若い年齢層は含まれないなどの偏りがあるため、国民全体を調査した場合とは異なり、発症しにくい若い層が少ない分だけ低い値になっている可能性があります。

比較的広範囲の年齢層について調べた例としては人口当たり最も検査数の多いアイスランドの調査研究3)が見つかりました。公開募集者10,797人とランダムに手紙で依頼した者2,283人の協力を得て、100名の陽性者(0.8%)を解析した結果、無症状病原体保持者は43%になっています。この調査でも協力者には低年齢者が少ないので、数値は低くなっている可能性があるようです。

なお、WHOはQ&Aにおいて無症状病原体保持者(無症候性キャリア)と軽症者は80%で、重症者(severe infection)は15%、重篤者(critical infection5%の比率になっていると回答しているようです4)

4月27日にニューヨークのクオモ知事は、ニューヨーク市民の新型コロナウイルス抗体保持率は24.7%であったと公表しました。やはり想像以上に新型コロナの感染進んでいるようです。しかもその半数が不顕性感染者の恐れがあります。

東京都における抗体保持者の数値が気になりますが、このまま推移すると医療従事者も病院を訪れる陽性者(伝染者)を認識できずに感染することになり、市民が病院に押し寄せることによる医療崩壊ではなくて、医療従事者の不足による医療崩壊が始まるのではないかと危惧されます。

先ず、病院にPCR検査あるいは抗原検査などの整備を早急に行い、医療従事者を感染から守ること、そして順次一般市民の検査数増やすことが必要だと思います。米国では、唾液を検体とした測定がスタートしたとのことですので、日本でもより安全な唾液を持ちいる方法の採用が待たれます。



 本当のことはまだ誰も分からない訳ですが、大多数の方が感染するまでこの戦いが続くとの予想の下で、まだ医薬品もワクチンもないので「早くかかったらひどい目に合うので損ですよ」ということを徹底させて行動変容を促し、一方で経済活動の再開と回復を図る方向に転換する時期に来ているように素人ながら勝手に思っています。


参考)
1)Mizumoto K. et al.: Estimation the asymptomatic proportion of coronavirus disease 2019(COVID-19) cases on board the Diamond Princess Cruise ship, Yokohama, Japan, 2020. Euro Surveill. 2020 Mar. 25(10).25(10), 
2)Nishimura H. et al.: Estimation of the asymptomatic ratio of novel coronavirus infections (COVID-19). International Journal Infectious Diseases, 13 Feb. 2020
3)D.F. Gudbjartsson, et al.: Spread of SARS-CoV-2 in the Icelandic Population. New Eng. J. Med., 14,April 2020.
4)WHO: https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-similarities-and-differences-covid-19-and-influenza

2020年4月19日日曜日

新型コロナ医療従事者への感謝と協力


新型コロナウイルス感染者の増加によって、医療関係者が家族への感染を気にかけ、窓ガラス越しに子供や家族にハイタッチして職場に出勤しているとの情報が伝わってきて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ありがたいです。

日本では、かなりの人々がマスクを何回も洗濯し(沸騰水やハイターの希釈液等で消毒するなど)、使っていると思います。最近のマスクは選択してアイロンを当てれば、新品によみがえります。実は、賢い消費者が多いように思いますし、皆協力したいと思っています。

でも、最も不安なのは新型コロナウイルスに関する情報で、どれが正しいのかです。マスクの配布はありがたいのですが、その予算の十分の一でもいいので、正しい情報を得るための、新型コロナウイルスの調査研究費にして頂ければ、得られた情報の信頼性が増すのではないかと思っています。でも、たぶんその分野では十分の一でも莫大な予算になるので担当者は大変なのかも知れません。しかし、大変でも将来に備えることになるはずだと想像しています。研究分野も人手がないだろうとは思いますが。

 これまでに、病原性のコロナウイルスとしてのサーズやマーズの教訓はありましたが、今回の新型コロナウイルスの性質を暴くまでの解明が不運にも行われていなかったように思います。サーズは発生から終焉までの期間が短く、マーズではその発見者であるエジプトのZaki博士が母国と解析を依頼したオランダとの狭間で冷遇されているなどの情報もあるように、人類の共通の敵に向かう姿勢ができていなかったように見えます。

 最も重要なことは、発生源における発生過程の解明からその伝搬様式や感染者の実数の把握など正しい情報を専門家が入手解析することです。でも多くの場合、正しい行動ではあるのですが、患者を助けることに全力を注ぐため、次にバトンタッチできる情報を入手しきれないという現状にあることは想像できます。

 今回の新型コロナウイルスについては、今のところ中国からの論文が大半を占めていますが、学術論文の多くは学術誌出版社の配慮からほとんどが公開され、私のような門外漢も全文を閲覧でき、さらにCOVID-19サイトが設けられるなど積極的な情報公開が行われ感激しています。科学的に戦うための体制は、たぶん相談なしに作ることができたのだと思います。

 次にやるべきことは、次(将来)のための作戦に必要な客観的なデータをとることのように思います。アイスランドは人口当たり最もPCR検査数が多い国のようです。また、サンマリノは日本を凌ぐ長寿国で、感染が蔓延したイタリアの真ん中にある国でどちらも人口当たりの感染率はかなり高い水準にあります。


 すでにデータはある訳なので、是非両国のデータを早急にまとめて世界に供給できれば、中国のデータを超えてかなり信ぴょう性の高い情報を世界の人々が得られることになるように感じます。①無作為に調査したと仮定した場合の年齢階層別感染率と死亡率の推計、②他者への感染力の経時的な把握、③家族間の感染率と感染しない人の割合などは、少なくとも算出可能かも知れません。

 コホート研究は是非必要だと思います。感染拡大は始まってしまいましましたが、RT-PCR検査は検体採取者へのクシャミ・シャワーなど負担が大きすぎるのであれば、抗体検査をコホート内で継続的に実施するなど、確かなデータを積み重ねることが次につながると思います。感染しても抗体ができるかどうかわからないとの議論もありますが、実施したデータを解析することで次の手が見えてくるとはずです。陽性者が少なくても無駄になることはないと思いますし、有効なワクチンの開発に資するものと期待されます。
 




 

2020年4月14日火曜日

新型コロナを予防するコロナ風邪(OC43やNL63など)の交差性抗体はあるのだろうか?


日本の新型コロナの感染者が急増したことで、首都圏での外出規制が始まり楽観ムードが一変しました。でも、得体の知れないこの新型コロナに立ち向かうための要になる、ワクチンや医薬品が出回るのはまだ先のようです。

良く理解している訳ではないのですが、各国の感染者数の増加状況を見ると、どの国も最初は指数関数的な増加を示しているようには見えません。特に日本では、豪華客船での感染事態を経て、しばらくの間感染者の増加は横ばいでした。感染防止に向けた皆の努力の賜物だとは思いますが、それ以外に何かが感染のスピードを抑制しているのではないかと感じます。

その「何か」の一つとして期待するのは、新型コロナの親戚ともいえる、毎年かかるコロナ風邪に対する抗体の新型コロナ抗体との交差性です。

追加記載)5月20日

 米国のラホヤアレルギー・免疫研究所の研究員が、新型コロナ発生前の保存血液にSARS-COV2反応性のCD4+T細胞が存在することを見出し、類似コロナウイルスへの感染による「交差性」の存在の可能性をCell誌に投稿しました。ACE2をレセプターとするHCoV-NL63への感染が有効だったのだろうか。詳細が知りたいです。

Journal Pre-proof
Alba Grifoni et al.: Cell,  Targets of Tcell responses to SARS-CoV-2 coronavirus in humans with COVID-19 disease and unexposed individuals. https://doi.org/1016/j.cell.2020.05015


人間が感染するコロナウイルスは7種類のようです。その内、新型コロナと同じβ-コロナウイルスに属するものは5種類で、α-型は2種類とのことです。一方、新型コロナと同様にACE2をレセプターとするコロナ風邪ウイルスはNL63のようです1)。どのウイルスが新型コロナに最も近いのだろうか。あるいは、抗体交差性を持つ可能性が高いのだろうか。


最近ネットで話題になっているBCG接種が感染防止に有効だったのではないかという件については、既にBCGがナチュラルキラー細胞を活性化することが理化学研究所によって解明されており2)、そのことが感染防止に関係しているのではないかと推測されます。BCGによって活性化されるのは細胞性免疫のTh1系のようです。細胞性免疫系はサイトカインストームとの関連性がありそうなので、その点も考慮する必要があるように思います。

追加記載
 世界的には、ポリオウイルス不活性化ワクチンのCOVID-19に対する有効性が取りざたされていることから、それに対するWHOの見解と方針が4月16日に公表されています。
http://polioeradication.org/wp-content/uploads/2020/03/Use-of-OPV-and-COVID-20200415.pdf
    (The use of oral polio vaccine (OPV) to prevent SARS-CoV2 )


  一方、液性免疫Th2系においても、抗体の交差性が確認されれば、軽症のコロナ風邪にしっかり感染することによって、COVID-19に対する予防あるいは症状の軽減が期待できます。

 関連した研究は始まっていますが3)、まだ明確ではなく、SARSへの感染者や、軽症コロナ風邪のOC43感染者、229E感染者を被験者とした研究では、SARS感染者において、OC43229Eに反応する抗体価が上昇していることが明らかになっています。
ヒト感性性コロナウイルスSARSやOC43、229Eの抗体交差性
 コロナ風邪に関する調査は、日本ではまだ感染者が出ていない岩手県における直近のデータは見つかりませんでしたが、山形県や三重県、福井県などで行われています。山形県の例を見ると、主にOC43NL63への感染が多いようです4)。米国と香港でも同様の調査がありますが、やはりOC43への感染例が多いようです。
山形県におけるコロナ風邪の事例
Yohei Matoba et al.:Jpn.J.Infect.Dis., 71, 167-169(2018)より
USAにおけるコロナ風邪の流行状況
Marie E. Killerby et al.: J. Clinic. Virol.101, 52-56(2018)より
香港におけるコロナ風邪の流行状況
Cyril C.Y. Yip et al.: Virologica Sinica 31(1), 41-48(2016)より

 免疫系の交差は、感染評価においては混乱の原因になりますが、予防の観点からはかなり重要な視点だと思います。この分野の発展を願っています。

軽い風邪、あるいはその他でもいいのですが、安全性の高い感染症にしっかりかかっていれば、COVID-19にかかりにくいということになるといいのですが。

参考)

1) Thanigaimalai Pillaiyar et al.: Recent discovery and development of inhibitors targeting coronaviruses, Drug Discovery Today, 2624, 21 (2019)
2)  理化学研究所:結核菌ワクチン「BCG」がアレルギーを抑制する機構の解明、20061218
3)Nisreen M.A. Okba et al.:SARS-CoV-2 specific antibody responses in COVID-19 patients., medRxiv. https://doi.org/10.1101/2020.03.18.20038059
4)Yohei Matoba et al.: Trends of Human Coronaviruses in Yamagata, Japan in 2015-2016 Focusing on the OC43 Outbreak of June 2016., Jpn. J. Infect. Dis., 71, 167-169(2018)

2020年4月9日木曜日

顔を手で触る回数は1時間に15回以上


 不要不急の外出はしないようにと広報車が伝え回っています。日本もヨーロッパや米国のように、感染者が急激に増えるのだろうか。心配です。

これまでに各国でPCR検査が行われてきましたが、Worldometer.infoのデータによれば、日本は検査数が極めて少ないレベルにとどまっています。これは、日本がクラスター追跡に重点を置いた効率的な体制で医療崩壊を防ぐ方針であったことによるものと思います。一方、人口当たりのPCR検査数が最も多い国は、アイスランドのようです。アイスランドは、人口が約36万人とのことで、政府の政策が浸透しやすい側面もあると思いますが、PCR検査とともにクラスターの把握もしっかり行い感染拡大を防ぐ方針のようです。
各国の新型コロナウイルス感染者のPCR検査数の比較
日本では感染源が不明な陽性者が増えたことから、外出自粛措置が始まりましたが、アイスランドのように民間への委託も検討しPCR検査数を大幅に増やせば陽性者の発見・隔離が進み、外出規制を緩和することが可能になるように思います。直ぐに実行しないと感染者が増えすぎて隔離が不可能になります。
幸いにも「感染症実用化研究事業 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の成果の一つとして、新型コロナウイルス検出キットが4月中旬に発売されるとのことです。予算は数百億円あるいは数千億円、数兆円なのか良くわかりませんが、キット提供者は世界の未来のために貢献することになります。ついでに抗体検査も実施されれば、抗体陽性者は安心して働けることから、社会の雰囲気も変わるように思います。
追記:
 4月11日 米国カリフォルニアで抗体検査が開始されるとのことです。これまでのインフルエンザ(エンベロープを持つRNAウイルス)ワクチンの有効率(((未実施者発病数ー実施者発病数)/未実施者発病数)× 100)は60%程度とのことで、新型コロナの場合は抗体保持者が少ないのでもっと高くなることは確実ですが、社会の実態像を知り新型コロナに立ち向かうために有効だと思います。
  


 感染経路は、飛沫感染の他に、顔の口や鼻、目などの粘膜を介した接触感染が主体のようですが、無意識のうちに私たちは手で顔に触っているようです。

 米国の医学部学生10名を被験者にした授業中における観察データでは、1時間に平均23回手で顔を触っているとのことです1)。髪に4回、耳に1回、頬に4回、口に4回、鼻に3回、目に3回、顎に4回、首に1回触り、感染の原因になる粘膜への接触は44%だったとのことです。



 また、パソコンを使った事務作業の場合は3時間で47回、すなわち1時間で15.7回手で目や唇、鼻孔など顔の粘膜部位に手で触ったとのことです2)。でも、かなり個人差が大きいようです。


  一方、日本で模擬電車内空間をつくり、そこでどの程度顔に触るかの試験が行われていました。それによると、電車内でよく見られるスマートフォンを操作している場合の方が顔を触る回数が少ない傾向にあるものの有意差はなかったとのことです3)。全体の平均としては顔面を手で触る行為は1時間17.8回、その内、唇や鼻孔、目などの粘膜部位に触る回数が1時間に8回とのことです。この観察でも個人差がかなりあることが分かります。なお、化粧をしている女性は顔に触れる回数が少ないようです。女性が男性より感染症に罹患しにくい理由の一つでしょうか。



 マスクをしていると唇や鼻孔には触れることはないと思いますが、これからの時代は、やはり顔にあまり触らない習慣を身に着けた方がいいのかも知れません。



参考)
1)Kwok YL. et al.: Face touching: a frequent habit that has implications for hand hygiene., Am. J. Infect. Contr., 43, 112e4(2015)
2)Nicas M. et al.: A study quantifying the hand -to-face contact rate and its potential application to predicting respiratory tract infection. J. Occup. Envion. Hyg., 5(6), 347-352(2008)
3)森田 健太郎ら:行動による感染リスク低減に関する研究、(そn1)模擬電車内における顔面接触頻度の把握、衛生工学会高い学術講演論文集(2018.9.2

2020年4月8日水曜日

牛久城跡や牛久沼の春一番の散歩


新型コロナウイルスへの感染が急拡大していることから東京や大阪などを対象にした「緊急事態宣言」が4月7日に出されました。茨城県は対象になりませんでしたが、首都圏との交流の多い10市町に対しては、平日夜間の不要不急の外出自粛が呼びかけられています。

 牛久市も外出自粛の対象になっていますので、散歩に出にくい雰囲気ですが、牛久沼周辺の3時間程度の散歩では数人とすれ違う程度ですので、これまで通りとはいきませんが、少し頻度を少なくして散歩を続けようと思っています。

 3月31日に春休み中の孫を連れて岩手に帰省し4月3日に戻りました。

 岩手の梅や桜は当然まだ咲いていませんでしたが、雪はすっかり消え春がすぐそこまでやってきているという雰囲気でした。岩手には、鳥取県や島根県と同様に新型コロナウイルス感染者は報告されていませんが、でもやはり感染が怖いので、ほぼ毎日家の中で過ごしました。孫たちは家の中で自由気ままに過ごすことが出来たので、息抜きにはなったようです。

 4月6日は快晴だったので牛久駅から牛久城跡を経て牛久沼に向かい、さらに三日月橋を渡って桜並木を通るコースを散歩しました。あちこちで写真を撮りながら歩いたので16㎞になりました。

 桜並木の桜は満開が過ぎ、花がかなり散っていました。人通りもほとんどありませんでした。


 牛久城の城跡地は草原になっていますが、前回紹介したとおりヒメオドリコソウの群落が目立ちますが、今回はカキドオシやキランソウの花が綺麗に咲いていました。
カキドオシの花
キランソウの花


タンポポの花もたくさん咲いていて、アゲハチョウの雄と雌が飛び交っていました。ヤマトシジミにも出会いました。
タンポポの花の蜜を吸うアゲハチョウ
ヤマトシジミ


 牛久城跡から牛久沼に向かい雲魚停やあやめ苑を散歩しましたが、道端にイヌノフグリやスミレ等とともにムラサキサギゴケが咲いていました。
ムラサキサギゴケ


 また、ベニシジミが結構たくさん飛び回りタンポポの蜜を吸っていました。
ベニシジミ


 桜並木を通り過ぎ田んぼ沿いの道を歩きましたが、道端にクサイチゴの花がたくさん咲いていました。
クサイチゴの花


 新型コロナウイルスが終息して、楽しい春になることを願っています。

2020年4月6日月曜日

新型コロナウイルスの伝染を断ち切る


新型コロナウイルスの最初の感染者・伝染者は誰だったのでしょうか。同時多発的な場合もあるので探すのは難しいかもしれません。話題になったミトコンドリアの祖先「ミトコンドリアイブ」のように決定できるとは限りません。

 でも実は感染者全員が、感染した瞬間から新型コロナウイルス遺伝子の先祖(伝搬者)になります。感染者自身の細胞がコロナウイルスの+鎖RNAを基にしてDNA(遺伝子)二本鎖RNAを合成し、+鎖RNAが次々複製されコロナウイルスとなって次にうつされ、そしてうつされた人がまた伝搬者となってうつし感染が次々に広がります。
(DNAを経由せずにRNA二本鎖が形成されて、RNA鎖が複製されるそうです)

 新型コロナウイルスの伝搬力は一人から1.52人程度のようですが、仮に2人とすると自分を含めて、1人から3人、9人、27人と続きます。3の指数関数で伝搬します。10回これが繰り返されると1人から10世代ということになり5万9千人が感染者になります。恐ろしいです。
感染者がうつす人数の違いによる感染者総数の増加曲線の比較

 もし1日に2人にうつすとすると、自分から次々に感染者がつながり、10日後には約6万人、11日後には葯18万人です。12日後には53万人になり、19日後には日本の人口を超えて13千万人が感染する計算になります。

これは1日に2人にうつし、それが継続される環境にある場合という条件での計算なので、現実にはうつせる人が周りにいなくなるので、そのようにならないのですが、でも恐ろしいです。

 すこし行動を自粛して、仮に1日に0.5人にうつす程度になると、10日後に約87人にうつしてしまったという程度で収まります。1人ひとりの行動がいかに大事かが良く分かります。感染を止めるには、感染者からの伝搬を断ち切るしかありません。
 伝染を制御できなくなった時は、陽性者を見逃さず隔離し重大さを自覚させる方法が最も確実のように思われます。

 46日時点で閲覧できるデータ(WHO)を基に3n乗を縦軸にして、国民の感染率が高いアイスランドと、急激な感染途上にある米国を加えた図を作成して見たところ、米国(USA)の感染者の増加速度は31日から322日までは、一人の感染者が二日間で二人に感染させる勢いで感染が広まり、その後ゆるやかになっていることが推定できます。政策の効果が一週間後に出ると仮定すると、315日ごろに実施した政策の効果が出ているということになります。
国民の感染率の高いアイスランドと低い日本、そして米国との比較


 国民の感染者率の高いアルルランドは、感染者が急激に増加したことから感染検査を民間に委託し徹底的に感染者を把握・管理する方針に変更したので、国民の感染率は0.4%になったものの、ほぼ終息に近づいている状況に見えます。

 一方日本は、感染率が低く推移しているものの、最近になり増加傾向が著しくなっているので、Our World in Dataの死亡者総数に関する図を閲覧したところ、やはり安定的に推移していた死亡者の数が増加する気配が見えます。
 
COVID-19による死亡者総数の推移(4月5日)


   明日(4月7日)には、政府が非常事態宣言を出すとの報道があります。

  日本は、感染クラスターの把握と徹底管理に特化した取り組みを行い、世界的に見ても最も効率的な感染者の検査体制を1月から4月まで継続してきました。諸外国と異なる独自の感染対策で、その成功を期待していましたが、感染元が追えない例が増え始めています。

感染源が不明で管理ができなくなった場合は、徹底的に検査をして陽性者を一人残らず把握する方法をとるか、あるいは人々の接触を制限する方法をとるかの二者択一になるように思います。本当は、ワクチンがあれば一番いいのですが。
各国のPCR検査実施総数と国民百万人当たりの実施数の比較(4月5日現在)
江戸から文明開化を経てまもなく、北里柴三郎や野口英世、志賀潔などの病理学者がこの分野で活躍しました。世界から見れば、江戸の科学レベルから類推して、当時の日本人がこの分野で活躍できたのはかなり不思議なことだったろうと思います。でもそれは、学問や学術等ということではなく、役立つことをしたいと思う日本人の価値観によるものだったような気がしています。


 自分のことを棚に上げた言い方ですが、そのことが続いていると信じたい。