4月23日に土浦市の小町山に登った後、鬼越山を通り東筑波スカイラインの宝篋山のゲートをくぐり、宝篋山方面を少し散策した後、東城寺経由で小町の舘駐車場に戻りました。木々の緑が濃くなり、山野草もぐんぐん伸びています。
小町の舘から宝篋山に登るルートとしては東城寺を経由する登山道が良く利用されているようなので、下山ルートとして初めて歩いてみました。
今回強く印象に残ったのは、翅が無色透明で全身緑色のカワトンボです。綺麗なトンボだったので追いかけて写真を撮りました。でもピンボケです。後で調べたところ、翅の縁紋(えんもん)が白色なので、ニホンカワトンボの未成熟メスらしいということが分かりました。成熟すると白色の縁紋が茶色に変わるとのことです。もう一度見たいと思っています。
今回は、小町の舘から朝日峠ハイキングコースを通って小町山に登ったのですが、おかめ岩を過ぎたところでほんの一瞬ですが、テングチョウに会いました。今年4回目の遭遇です。
テングチョウは、県立中央青年の家付近で今年初めて見たのですが、それ以来筑波山の鬼ヶ作林道や小町山への登山道の天の川沢コースでも確認できました。この時期に結構良く出現する蝶々だったようです。素人なので、これまでそれと気づかなかったのですが、見る目が備わったということでしょうか。
また、小町山から鬼越峠を経て宝篋山に向かう途中で、サトキマダラヒカゲにも遭遇しました。幼虫の食草になる竹林が多いので、たぶん相当いるだろうと思ってこれまで気を付けて見ていましたが、小町山では初めて確認しました。三石森林公園で昨年見かけています。
小町山から宝篋山に向かう途中の山道で、1枚の葉だけが顔を出している植物を良く見かけ、なんだろうとおもっていました。カタクリの葉が1枚だけ残ったのだろうか、などと勝手に想像していましたが、ナルコユリの実生のようです。
ナルコユリなどアマドコロ属の植物では花が終わると種子が出来、その種子は発芽・成長するようです。
でも、自家受粉では種ができないとのことで、園芸種として販売されているものはクローン体が多いので実生による増殖は難しいようです。
山形県での研究によると、種子から地上部が出てくるまでには2回冬を越す必要があるようです。一度目は発根のため、二度目は地上部の萌芽のためで、どちらも休眠打破のために低温が必要とのことです。研究では5℃以下にしていました。
このコロナ禍で、昨年から山歩きが増えたくさんの野草を見ていますが、皆それぞれ不思議な興味深い特徴を持っているのでしょう。自然にかつ逞しく生きていけるのは、その多様な個性によるのでしょうか。感心します。
参考)
1)高樹英明ら:アマドコロとオオナルコユリの種子発芽の促進、山形大学紀要、農学、15巻1号、1-10(2006)
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