2020年3月14日土曜日

オオイヌノフグリの意外な効能(口唇ヘルペス予防)


3月12日と9日は天気が良かったので、牛久沼周辺を散歩しました。三日月橋のあやめ苑では10名を超えるボランティアの方々が両日とも除草作業や花畑の畝造り、堆肥の鋤き込み作業などをしていました。ご苦労様です。

ラジオで、東京の桜の開花宣言がそろそろ行われそうだと言っています。
新型コロナが逸早く下火になることを願っています。フランス、デンマーク、スイス、アイルランド、ノルウェー、米国のオハイオ州など3州では16日から公立学校が休校になるとのことです。

散歩道にはオオイヌノフグリ(Veronica persica:ペルシャのベロニカ)がたくさん咲いていて目を引きます。
オオイヌノフグリの花(Veronica persica:ペルシャのベロニカ)
可憐な花ですが、その花弁の青色がとても鮮やかです。青色色素はアントシアニンのデルフィニジン誘導体であることが解明されており、デルフィニジンにグルコース2分子とそれらに結合したパラクマル酸が2分子、さらにマロン酸1分子が結合しているとのことです1)。面白いことに、オシベの葯の青色色素は花弁の青色色素からマロン酸が離脱した化合物だったとのことです。花弁や葯には、このデルフィニジン誘導体とともに、アピゲニン-7-グルクロニドが共存し、青色を一層強めて(バソクロミック効果:長波長側にシフトさせる作用)いるとのことです。
オオイヌノフグリの花と葯の青色色素
オオイヌノフグリなどクワガタソウ属に分類されるVeronica(ベロニカ:聖者の名前)類はトルコなどでは民間薬(folk medicine)として利用されている種類があるとのことで、イヌノフグリ(veronica polita)とオオイヌノフグリ(Veronica persica)もその仲間なようです2。初めて知りました。複数のフェニールプロパノイドやイリドイド化合物の化学構造の解析が行われ、その結果が報告されていました2)。食用にもなるとのことです。

また、驚いたことにオオイヌノフグリの80%メタノール抽出液には口唇ヘルペスなどの単純ヘルペス(HSV1,HSV2)に対する抗ウイルス作用がありそうだということが培養細胞を用いた試験によって明らかにされていました3)。抗ヘルペス薬であるアシクロビルとの相乗作用もあるようです。
オオイヌノフグリの口唇ヘルペス感染阻止作用
春一番に咲き最も身近に感じていたオオイヌノフグリが、他国では民間薬として利用され、さらに時々悩まされる口唇ヘルペスの予防に役立つ可能性があることが分かりました。これまで親近感は持っていましたが、雑草の一つとしてのみ眺めていました。苦いそうですが疲れた時、ヘルペスが出そうな時に茶として飲んで見たいと思いました。辞典等での確認はとれてませんが「フレンチ紅茶:French black tea」とも呼ばれていると記載している方もおられました。

参考)
1)M. Mori et al., Anthocyanin Components and Mechanism for Color Development in Blue Veronica Flowers., Biosci. Biotechnol. Biochem. 73(10), 2329-2331(2009)
2)U.Sebnem Harput et al.: Phenylpropanoid and Iridoid Glycoside from Veronica persica., Chem. Pharm. Bull., 50(6), 867-871(2002)
3)Javad Sharifi-Rad et al.: Antiviral activity of Veronica persica Poir. On herpes virus infection., Cell.Mol. Biol., 64(8), 11-17(2018)

2020年3月11日水曜日

コロナウイルスの感染防止にはプロテアーゼ(TMPRSS2)活性阻害が有効?


新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっています。特にイタリアやスペイン、フランスなどヨーロッパでの感染者数が急激に増加しています。

中国での増加数は確実に減少しており、新型コロナに対する有効な対策が見つかっているのであれば、学術情報に加えて、逸早く世界に向けて発信して欲しいと思っています。特に、既存医薬品の投与試験が中国で多数実施されたとのことですので、(Nature biotechnology news, https://www.nature.com/articles/d41587-020-00003-1)その結果に関する情報は貴重です1)。

インターネットの文献検索サイトでコロナウイルスに関する研究を検索したところ、2月以降に研究報告がたくさん出されており、しかもそのほとんどが全文公開されていました。非常時に情報を公開して難局に立ち向かう「ワンチーム」の体制が阿吽の呼吸で学術分野に出来ているように感じました。

 ウイルスに関する知識はあまりありませんので、コロナウイルスの感染機構について調べてみました。その結果、これまでのSARSMERSに関する研究から、新型コロナもそれらのウイルスと同様に、宿主(ヒト)細胞にウイルスが結合するレセプター(ACE2)と共にタンパク質分解酵素(TMPRSS2)が存在する必要があるとのことです2~4)
SARS-CoVの感染機構(TMPRSS2が必要)



 コロナウイルスの受容体になる宿主のACE2の近くにTMPRESS2が存在しないと感染が成立せず、TMPPSS2の発現量が多いと感染しやすいとも言われているようです。TMPRSS2はアンドロゲンの影響を受け、前立腺がん細胞で増加しているとの報告がありますので、杞憂かもしれませんが欧米での感染率と重篤化が気になります。

 コロナウイルスの感染防止にはTMPRSS2の活性阻害が有効であるとする論文がドイツの研究者によってCell誌に掲載されました。嬉しいことに、日本でプロテアーゼ阻害薬として認可されている医薬品「カモスタットメシル酸塩」が感染防止に有効であるとの報告でした5)。日本で開発認可されているインフルエンザ薬の「ファビビラビル(アビガン)」(RNAポリメラーゼ活性阻害物質)にも期待が集まっているので早急な治験が待たれます。
カモスタットメシル酸塩
 TMPRSS2は宿主側のプロテアーゼですが、コロナウイルスの遺伝子から生じるプロテアーゼ(3CLpro)は宿主細胞内でのウイルス増殖の際に必要な酵素であるため、この酵素の阻害剤についてはSARSの酵素を用いた研究がたくさん行われ、フラボノイドなど天然成分も注目されていました6)。例えば、アマニ油の原料となるアマニ種子に存在するヘルバセチンなどが試験管レベルでの研究報告ですが阻害作用が強かったとのことです。
ヘルバセチン
 これらの研究は、ヒトでの有効性が証明されるまで時間がかかると思いますが、注目してみていきたいと思っています。
 
後日追加記載(4月10日)
 東京大学医科学研究所がカモスタットの1/10濃度で有効性を示すナファモスタットを用いて臨床試験を実施するようです



参考)
1)Guangdi Li. et al.: The cerapeutic option for the 2019 novel coronavirus(2019 nCoV), Nature review, Drugsidcovery, Suppplementary information.
)田口 文広ら:コロナウイルスの細胞侵入機構、ウイルス、59(2)215-2222009
)竹田 誠:プロテアーゼ依存性ウイルスは病原性発現機構とTMPRSS2, ウイルス、69(1)61-722019
Graham Simmons, et al.: Proteolytic activation of the SARS-coronavirus spike protein: Cutting enzymes at the cutting edge of antiviral research. Antiviral Res., 100(3), 605-614(2013)
Markus Hoffmann, et al.: SARS-CoV-2 Cell Entry Depends ACE2 and TMPRESS2 and Is Blocked by a Clinically Proven Protease Inhibitor., Cell, 181, 1-10(2020)
Seri Jo, et al.: Inhibition of SARS-CoV 3CL protease by flavonoids. J. Enz. Inhibi. Med. Chem., 35(1), 145-151(2020)

2020年3月7日土曜日

新型コロナウイルスへの感染や症状の差異はなぜ生じるのか


3月7日10時付のWHO報告によると新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数は1日で3735人増え101927人になったとのことです。その大半は発生国である中国に負うところが大きいのですが、日本のみならず、韓国やイタリア、イラン、ドイツ、フランス、スペイン、英国、米国などの各国で増加し始めており世界的な脅威になっています。
3月6日と3月7日の主な国の患者数(WHO)
 COVID-19200211月に中国で発生が報告されたSARSCoVとかなり類似したウイルスのようなので、当時SARSのワクチンや治療薬が開発されていれば、今回それらが役に立っていたかもしれません。でも、SARS20037月に終息宣言が出され、感染期間が短かったこともあり、残念ながら有効性の高いワクチンや治療薬は開発されていなかったようです。

しかしながら、これらSARSMERSを契機としたコロナウイスルに関するこれまでの研究の進展によって、ヒト細胞側のリセプター(ACE2)に結合するSARS-CoVのスパイクタンパク質の構造に関する研究がかなり進んでいたこともあり、今回のCOVID-19(新型コロナ)のスパイクタンパク質の構造は逸早く解明され1)、ウイルスの侵入メカニズムも分かってきているようです。ワクチンや医薬品等の早急な開発が期待されます。


SARSと新型コロナを比較してみると新型コロナの方が致死率は1/3以下と低くなっていますが、でもやはり高齢者は22%と高いようです。また、女性より男性の致死率が高く、心疾患や糖尿病、高血圧などの疾患を持つ方々の致死率も高くなるなどの特徴があるようです。さらに、感染しても発病しない方々も多いとのことなので、何故そのような差異が現れるのかについて関心がもたれています。


こうした感染率や発症の有無等に関連する要因を解明するための研究も活発に行われていますが、これまでに肺組織でのACE2の発現量はアジア系とヨーロッパ系で差異が無いこと、あるいは年齢や性差にも差が無いとする報告2)や、アジア系の人々にはACE2の対立遺伝子数が欧米系の人々より多いなどとする報告3)が出されていて、錯綜感があり精査が必要になっています。唯一差があったのは喫煙者と非喫煙者で、喫煙者のACE2発現量が高くなり、新型コロナへの感染が高まるのではないかと言われているようです。

生活習慣としての食事等の影響も分かれば良いのですが、そのためには実験用のモデルとなる動物の開発が必要になると思われます。

参考)
1)Daniel Wrapp et al.: Cryo-EM structure of the 2019-nCoV spike in the prefusion conformation. Science abb 2507 (2020)
2)Guoshuai Cai : Tabacco-use disparity in gene expression of ACE2,  the receptor of 2019-nCov., medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101 /2020.02.05.20020107
3)Yanan Cao et al.: Comparative genetic analysis of the novel coronavirus (2019-nCoV/SARS-CoV2)receptor ACE2 in different populations., Cell Discovery, 6:11(2020)


2020年3月5日木曜日

新型コロナウイルスとアンジオテンシン変換酵素阻害成分


 WHOによってCOVID-19と命名されたコロナウイルス(CoV)の感染拡大により日本では3月2日(月)から春休みまで小学校や中学校、高校の臨時休校が要請されています。自治体によって対応が異なるようですが牛久市では完全実施しています。

ちなみに、コロナウイルスの名称はウイルスの表面に王冠(コロナ)のような突起がたくさんついてことに因んでいるとのことです。この突起物はスパイクたんぱく質(Spike protein)とも呼ばれており、人の細胞の表面に結合するドメインを持っているようです。

新型コロナウイルス(COVID-19)

COVID-192003年に発生したサーズ(SARSCoV)と同様に野生のコウモリ起源であり、人の細胞表面に露出している膜酵素のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2:エース2)をリセプターとして細胞に感染することなど類似性が高いことからSARSCoV2SARSの兄弟)とも呼ばれているようです。ACE2に結合する両ウイルスのスパイクタンパク質の相同性は76.5%とのことですが、COVID-19の方が結合力は強いそうです1)

日本で許可されている特定保健用食品(トクホ)の中に「血圧が高めの方に適する食品」があります。これらトクホの多くはアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害作用を持つ成分(主にぺプチド)を含有している食品ですが、今回話題になっているのはACEではなくてACE2の方です。

ACEACE2は共に血圧の調節に関与する膜酵素であり、ACEはアンジオテンシンⅠのC末端から2つのアミノ酸を切断してアンジオテンシンⅡを生成し、生じたアンジオテンシンⅡが血管を収縮させてことによって血圧を上昇させる訳ですが、ACE2はアンジオテンシンⅠとⅡのC末端から1つのアミノ酸を切断する作用を持つことから、むしろこのアンジオテンシンⅡの体内濃度を減少させることになります2)

アンジオテンシンⅡはそのレセプター(AT-1)を介して、マクロファージからの炎症性サイトカインの発現を高める作用を示すことも分かっているとのことですので2)SARS-CoVCOVID-19SARS-CoV2)の感染は、ACE2の活性低下や発現量の抑制を通じたアンジオテンシンⅡ濃度の上昇をもたらし、飛沫感染部位に近い肺組織やACE2が多く発現している腎臓や腸管などでの炎症増悪をもたらしているものと考えられているようです。

COVID-19の感染に伴う体内のアンジオテンシンⅡ濃度の上昇が炎症憎悪の要因であるとすれば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用を持つ食品成分や食品(トクホ)は炎症増悪を抑制する作用を持つのでしょうか。また、降圧剤のアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(バルサルタン等)も炎症憎悪抑制をもたらすように思えますので、研究3)の進展が待たれます。

COVD-19のスパイクタンパク質のヒトACE2への結合を阻害し、感染を成立させない物質が早く見つかればいいのですが。

追加:その後、COVID 19に対するACE阻害剤やACEレセプター阻害剤(ARB)の影響に関する論議が継続されています4)。3月21日

参考)
1)Zhang H. et al.: Angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2) as a SARS-CoV2 receptor molecular mechanisms and potential therapeutic target., Intensive Care Med., https://doi.org/10.1007/s00134-020-05985-9
2)久場 敬司: アンジオテンシン変換酵素2の消化管アミノ酸吸収能とウイルス腸炎における病態生理学的意義の解析、三島海雲記念財団報告誌
3)Gurwitz D. : Angiotensin receptor blockers as tentative SARS-CoV2 therapeutics., Drug. Dev. Res., 2020 Mar4 Doi:10.1002/ddr. 21656.

4)G. Alexander:COVID 19:social distancing, ACE2 reeptors, protease inhibitors and beyond?    Int. J. Clini. Pract.,  Mar. 18 (2020).  doi: 10.1111/IJCP.13503


2020年2月25日火曜日

薬王院コースで筑波山に登山しました


2月21日は快晴だったので筑波山に登山しました。今までは、筑波山神社やつつじヶ丘からの登山でしたが、今回は筑波山神社の裏側に当たる真壁町側から登山することにしました。

真壁町側にも複数の登山口があるようですが、とりあえず薬王院コースを選択し、つくし湖周辺を探索した後に薬王院に向かい、薬王院の第3駐車場(筑波山登山者用の駐車場)に車を駐車し登山を開始しました。

薬王院の庭(2月21日)
薬王院参道前にあるつくし湖は人造湖ですが、釣り禁止の立て札があり、湖の岸辺にはカモがたくさん陣取っていました。また、これまで見たことのない鳥がいたので写真をとりましたが、後で調べたところ「カワウ」のようです。結構たくさんいました。
薬王院登山口の途中にあるつくし湖のカワウ(2月21日)

今回は、登頂にどの程度の時間がかかるのかも調べてみました。薬王院の登山口から20分程歩くと舗装道路を横切りましたが、それ以降は階段が延々と続いていました。結構きつい登山でした。

薬王院登り口から21分で舗装道路を横切る
御幸ヶ原まで66分かかりました。登山道路の周りにはアオキが赤い実をつけ和ませてはくれますが、やはり冬の登山は殺風景だと思いました。


 
 御幸ヶ原の食堂でソバを食べた際に、おじいさんに声を掛けられたので、新緑が待ち遠しいと話したところ、「葉が落ちた冬のほうが景色がいいよ」と言われハッとしました。冬には冬の良さがあり、ゆっくり景色を見ながら登山するように諭されたように思いました。結構ガムシャラな登山でした。

御幸ヶ原から男体山頂上に登り、自然研究路を経て景色を見ながらゆっくりと薬王院の駐車場に戻りました。


今回はつくし湖の駐車場が混んでいたので、空いていた場所に急いで車を駐車したのですが、そこに朽ち果てたテーブルがあり、それを知らずにバックドアを思いっきりぶつけ、大きくへこませてしまいました。一か所だけ、スペースが空いていたのは、後ろにテーブルの残骸(支柱)があったからだった訳です。残念でした。登山を止めようかなとも思いましたが、気を取り直して無事登ることができました。



2020年2月24日月曜日

曖昧だったアズキ(小豆)の紫色素が解明された


昨年(2019年)は黒大豆とアズキ(小豆)を多めに栽培し、それぞれ約11.5㎏と6㎏収穫しました。両者とも抗酸化物質のポリフェノール色素に富むということで注目されていますが、黒大豆についてはその色素がシアニジン3-グルコシド(クリサンテミン、クロマニン)であることが既に分かっているものの、アズキ(小豆)の色素については曖昧でその解明が待たれていました。

実は幸いにも昨年(2019年)、アズキ種皮の色素に関する研究報告が出され、曖昧であった色素が新規物質であることが判明しました1)発見者らによって、その新規物質は「カテキノピラノシアニジン」と命名されました。
各種豆類種皮の色素成分
(アズキの色素が2019年に解明された)
名前から類推されるとおり、茶の苦味成分(抗酸化成分)として良く知られているカテキンとアントシアニンに属するシアニジンが1分子ずつ結合した物質のようです。カテキンには立体異性体が存在しますが、カテキノピラノシアニジンを構成するカテキンには、()-カテキンと(-)-エピカテキンの2種類が存在し、()-カテキンの場合はカテキノピラノシアニジンA(-)-エピカテキンの場合はカテキノピラノシアニジンBと命名されています。含有量は、Aの方がかなり多いことも分かっています1)

この化合物は、水に難溶性であるためアズキの漉し餡に残存し、漉し餡が紫色に染まる原因物質になっているとのことです。アズキの漉し餡の綺麗な紫色はカテキノピラノシアニジンA,Bによることが分かった訳です。一方、このカテキノピラノシアニジンは光酸化により容易に無色の物質に変化することも明らかになっていますので、餡の製造や保存方法についても重要な指針が得られたことになります。
アズキ漉し餡の紫色素カテキノピラノシアニジンの光酸化
  一方、アズキ種子の色は漉し餡の色と異なり赤味が強くなっていますが、これはアズキ種皮に存在する縮合型タンニンのプロアントシアニジンが少し酸化されることによって形成された赤褐色色素が影響しているためと思われます。多くの有色豆類の種皮にプロアントシアニジンが存在することは良く知られています2)
各種有色豆類のプロアントシアニジン含有量
有色豆類の表皮の色を決定する色素類

有色豆類との類似例として有色玄米について調べてみたところ、赤米糠層にはプロアントシアニジンが多く含有され3)アントシアニンは極めて微量存在する程度のようで、長期保存等のようなプロアントシアニジンが酸化され易い条件で赤味が増すことも確認されています。また、紫黒米には黒大豆と同じようにアントシアニンのシアニジン3-グルコシドが多く含有されプロアントシアニジンはほとんど無いことも分かっています。
有色玄米の色素形成要因の品種別含有量
(赤米にはアントシアニンがほとんど無い)
(紫黒米のプロアントシアニジン含量は極微量)
有色玄米の表皮色素の組成

 赤味を呈するプロアントシアニジン酸化物は、たぶん多成分でありかつ重合反応が生じているため単離と構造決定はかなり困難であると予想されます。

色が重要な紅茶に例えれば、カテキノピラノシアニジンはテアフラビンで、タンニン色素は水溶性赤色色素のテアルビジンに相当することになるのかも知れません。



参考)
1)Kumi Yoshida et al.: Structure of two purple pigment catechinopyranocyanidins A and B from the seed-coat of the small bean , Vigna angularis., Sci. Rep., 9:1484(2019)

2)沖 智之ら:DMAC法による豆類中の総プロアントシアニジンの定量法、日食科工誌、60(6)3013092013

3)Kenji Hosoda et al.: Anthocyanin and proanthocyanin contents, antioxidant activity, and in situ degradability of black and red rice grains. Asian-Australasian J. Anim.Sci., 31(8), 1213-1220 (2018)

2020年2月21日金曜日

手抜き菜園における豆類の収穫量


2月13日から2月15日(土)まで岩手に行ってきました。数日前から気温が上がり岩手では雨が2日間降りました。岩手山は雪化粧でしたが、田畑の雪はいつもより少ないようです。
冬の岩手山(2月15日)
昨年栽培・収穫した豆類を整理した結果、紅花豆は1.6㎏ありましたが、白花豆は僅か400g程度でした。白花豆の栽培本数は紅花豆の半分でしたので、収量率は紅花豆の半分程度ということになります。
紅花豆や白花豆など昨年の収穫物(kg)
123日に函館に行った際、市場で販売されている紅花豆と白花豆を見ましたが、粒の大きさはほぼ同じ程度でしたので少し安心しました。今年もこれら花豆類の栽培に挑戦しようと思いました。

そのほかに、小豆が6㎏、大豆2㎏、黒豆11.5kg、茶豆4.2㎏、鞍掛豆2.6㎏、さらにつる性の虎豆が1.8㎏収穫できました。

無農薬栽培なので、どの豆にも虫による食害粒があるので、その選別作業が大変でしたが薪ストーブで暖をとりながら、年末から年始まで一人で楽しく作業することができました。


黒豆と小豆は正月に調理し家族で食べましたが、その他の豆は機会を見てこれから調理してみたいと思っています。

昨年は豆類のほかに、ジャガイモやトマト、カボチャも栽培しましたが、カボチャが結構たくさん収穫できたので、10月末から2月まで岩手にほったらかしにしておいた所、半分以上が腐っていました。1月の始めまでは大丈夫だったのに残念です。長期保存は難しいようです。

 その内、「すくなカボチャ」のような細長い形をしたカボチャには斑点がたくさんできていました。斑点を良く見ると、様々な色が円状に重なっていて「きれい」とは言いにくいのですが、興味のある模様になっていました。
腐敗したカボチャ(2月13日)
 健全なカボチャは、一口大に切断して冷凍することにしました。

 まだまだ岩手での農作業はできないのですが、牛久は梅も咲き始めたので、そろそろ来年の計画を考えたいと思っています。


2020年2月11日火曜日

牛久沼周辺で越冬中のウラギンシジミに会いました


2月8日に牛久駅経由で牛久沼から三日月橋を渡り桜の小径を周るコースを散歩しました。約13㎞、3時間かかりました。

雲魚亭から河童の碑を経て牛久沼に向かい歩いていたところ、蝶々が飛んでいるのを目撃しました。2月7日には牛久市で-6℃を記録しているので、越冬中の蝶々が飛ぶことはないだろうと思っていましたが、天気が良かったせいなのでしょう。でも意外でした。道端の木の葉に止まったので写真を撮ることができました。ウラギンシジミの雌でした。もっと近くで見たかったのですが、数回頭上を飛び回り林の中に消えてしまいました。

牛久沼周辺のウラギンシジミの雌(2月8日)
以前、ウラギンシジミの雌の死体を拾い保存していますが、それよりも斑紋が明瞭でした。
道端で拾ったウラギンシジミの死体(1月17日ブログ掲載)
アヤメ苑には一匹のダイサギと渡り鳥のツグミがいました。また、相変わらず稲荷川周辺にはたくさんのスズメが集まりにぎやかに騒いでいました。
牛久沼のダイサギとツグミ、スズメ(2月8日)
三日月橋生涯学習センター付近で野良猫を見つけたのでカメラを向けたところ、素早く逃げていきました。なかなかユニークな顔をしていました。
三日月橋周辺にいた猫
農家の庭先にある梅の木にはもう花が咲いています。郷里の岩手は、たぶんまだまだ寒く雪に覆われていると思いますが、牛久はもう春の気配です。
牛久沼周辺の農家の梅の木(2月8日)
春を待つ桜の小径(2月8日)
 平凡な散歩ですが、いつも心に残るものがあり楽しみにしています。


2020年2月9日日曜日

筑波山御幸ヶ原の野良猫の写真


2月5日に筑波山に登りました。いつもは家族と一緒なのでつつじヶ丘の登山口から登るのですが、今回は一人登山だったので御幸ヶ原コースにしました。ケーブルカーの側を登る直登コースで所要時間は90分とのことですが、景色も気にせず老体に鞭打ってひたすら頑張って登ったところ60分弱(1046分~1141分)で御幸ヶ原に到着しました。きつかったです。

平日だったので御幸ヶ原にはあまり観光客はいませんでしたが、つつじヶ丘から登ってきたと思われる幼稚園の子供グループが、数人の先生を囲んで休んでいました。雲一つない快晴の下、爽やかな瞬間でした。

あたりを見渡したところ、一匹の猫が目に留まったので写真をとりました。800mを超える厳しい環境の中で生き抜いてきた経歴が顔に垣間見え、なかなかの風格です。食べ物を広げているおじさんの前で、前足を揃えて座っていました。
ジーと見つめると、この親分猫の手下にされそうな気がします。
筑波山御幸ヶ原の猫(名前はまだない)
晴天下の筑波山(2月5日)
筑波山の登山コース
これまでの筑波山登山では女体山を目指して登っていましたが、今回は男体山に登り、さらに春に向けて自然研究路を下見することにしました。自然研究路は男体山山頂を取巻く散歩コースですが、御幸ヶ原から少し歩いたところに間宮林蔵が青年の頃に良く登っていたといわれている立身石がありました。石の上は数人が座れる程度の狭い空間でしたが、さすがに眺めはすばらしく、果てしない関東平野が続いていました。眼下に故郷を眺め決意を固める青年の想いが伝わってきました。
間宮林蔵 立身石からの眺め

自然研究路には、筑波山に生えている樹木や、草花、鳥、昆虫などの紹介看板が設置されていました。子供から大人まで楽しめるように思いました。

これまで、筑波山や宝篋山に登山するたびに草花や昆虫の写真を撮っていましたが、図鑑などを見ても名前の分らないものが結構ありましたので、これからはこれらの紹介看板を見ながら、目当ての草花などを探してみたいと思いました。

蝶々を紹介した看板では、アサギマダラとミドリヒョウモンが掲載されていましたが、アサギマダラとは宝篋山で10月に遭遇しました。
筑波山自然研究路の看板のアサギマダラ
また、ヒョウモンチョウ類としては、8月に女体山山頂でツマグロヒョウモンの群れに会いました。ツマグロヒョウモンの雄が群れをなして頭上を飛び交う様は圧巻でした。ミドリヒョウモンには会っていませんので今後が楽しみです。
自然研究路看板のミドリヒョウモンと女体山頂のツマグロヒョウモン
宝篋山で名前の分らないフキバッタの写真を撮っていましたが、これはヤマトフキバッタかも知れません。写真の方は尾が短いので幼体なのでしょうか。また、探してみたいと思っています。
筑波山のヤマトフキバッタ
筑波山では215日から梅祭りが始まるようです。正月から世界を震撼させているコロナウイルスが一刻も早く制圧されることを願っています。