2025年7月25日金曜日

令和七年夏の安比高原「ぶなの駅」の散策

 7月21日(月)の午後から八幡平市安比高原の「ぶなの駅」に行ってきました。

安比高原の「ぶなの駅」は「道の駅」とは違い、地元の農産物などの販売所ではなく、ブナ林を中心にした高原の景観を公園のように親しんでもらうために整備された岩手北部森林管理署、新町森林事務所が管理する駐車用施設で、安比スキー場前森山の裏側に位置し、安比スキー場周辺に開設されたAPPIリゾートの夏の憩いのフィールドになっているとのことです。

この高原は、1000以上前から蝦夷馬や南部馬の放牧地として利用されてきたとのことで、その長い歴史とブナ二次林誕生の経緯に興味を持ちました

ブナ二次林を見学するため草原をしばらく歩きました。

ぶなの駅からブナの二次林に向かう草原(7月21日)

草原にはヤナギランやヒヨドリバナがたくさん咲いていました。昭和から平成に変わる時期に「ぶなの駅」を開設するきっかけになったのは隙間なく生育したブナの二次林とヤナギラン等の豊富な山野草があったからのようです1)。ヤナギランの群生が綺麗でした。

ブナの二次林に向かう草原の草花(7月21日)

ブナ二次林の形成はブナの伐採が行われた大正から昭和30年代頃までの間に、1ヘクタール当たり一本程度の巨木が切り残され種子をまき散らしたことによるものだそうです。ノコギリで切り倒すのが困難な巨木が点在する高原で牛馬の放牧が続けられ、芝刈りや野焼きなどの作業が継続されたことにより二次林が形成されたとのことです。

安比高原のブナの二次林の様子(7月21日)

安比高原のブナの二次林(7月21日)

ブナの二次林を散策してぶなの駅がある「中の牧場」に戻りました。

安比高原中の牧場の様子(7月21日)

中の牧場には馬の親子が放牧されていて草を食べていました。

安比高原中の牧場に放牧された馬の親子

これまで何度もぶなの駅を訪れ、蝶々の写真をたくさん撮りましたが今年は少なく感じます。ぶなの駅がある「中の牧場」に戻りようやくウラギンヒョウモンが数羽群れているヒヨドリバナを見つけました。

ヒヨドリバナの蜜を吸うウラギンヒョウモン(7月21日)

ワラビの葉にヒメキマダラシジミが止まっていました。

安比高原のキマダラセセリ(7月21日)

セリ科の花に止まっているアカスジカメムシも見つけました。

安比高原のアカスジカメムシ(7月21日)

今年は、北海道でも40℃になるなど、日本全国で暑い日が続いているので、蝶々などは夏眠に入ってしまったのでしょうか。少し寂しいです。

美しい景観や飛び回る昆虫の姿がこれまでのように変わらず続いて欲しいと願っています。

 

参考)

1)  松尾 亨:自然と人と動物が作り出した森 安比高原、みどりの東北、東北森林管理局、No.55p11 (平成20年10月).

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