2020年7月1日水曜日

新型コロナウイルスによる死者数の人種による差異

昨日(630日)の国内での新型コロナウイルス感染者が138人になったとのことで、自粛緩和が進むとやはり感染者が増加するようです。経済活動の自粛が世界的に困難な状況になりつつあることから、日本でも医療崩壊にならない程度の感染にとどめる努力をしながら「ウイルスとの共存戦略」を考えなければならない事態になりつつあると感じています。

日本や韓国、タイなどアジア諸国の新型コロナウイルスに対する感染者数や死亡者数は欧米に比べ明らかに少ないことから、それがアジア系民族の遺伝的な特性によるものかどうかに関心が寄せられています。そこで、最も感染者が多くかつ多様な人種構成からなる米国のデータ1)を検索・解析したところ、感染に伴う死亡者数の比率はアジア系やヒスパニック系の住民は白人とほぼ同程度でした。黒人の死亡者が明らかに多いので遺伝的要因を捨てきれないのですが、欧米に比べアジア諸国での死亡者が少ない根拠として遺伝的要因を取り上げるのは難しいように思われます。

   やはりそれぞれの地域住民の生活習慣や意識の持ち方が感染率等に大きく影響しているのでしょう。今後、食事についても注目したいと思っています。

10万人を超える死者数が出ている米国のデータによると、0歳から中学生くらいまでの死亡者はわずか26人で全体の0.025%のようです。一方、65歳以上の高齢者は死亡者全体の80.7%を占めており、どの病気もそうですが、加齢に伴い自然免疫系が低下した高齢者は特に感染に注意しつつ健康的な生活を送るよう心がける必要があるようです。


今日、たまたま「AI崩壊」をビデオで見ました。偶然です。「AIは人間を選別するようになるのだろうか」がテーマでした。医療崩壊による治療の優先順位の決定が頭をよぎりました。崩壊しないように協力する揺れない心が大切です。

パンデミックを収束させるため、ワクチンや医薬品等の開発に向けた新型コロナウイルスのヒト細胞への侵入機構に関する研究が活発に行われています。米国科学アカデミー紀要(PNAS)が526日に公表した論文2)では、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質表面に存在するACE2結合サイトの活性化に、タンパク質分解酵素のフーリンが関与することを見出したとしています。


新型コロナいうルスが宿主細胞に侵入するための疎水性鎖を露出させる作用を持つTMPRSS2とともにもう一つのプロテアーゼが重要な役割を果たしているようなので、これらプロテアーゼの阻害物質3)などに対する興味が湧いてきます。

参考)

1)米国CDC : Provisional Death Counts for Coronavirus Disease (COVID-19): Weekly State-Specific Data Updates.

2)Jian Shang et al.: Cell entry mechanisms of SARS-CoV-2, PNAS, 117(21), 11727-11734 (2020)

3)B. Robson: COVID-19 Coronavirus spike protein analysis for synthetic vaccines, a peptidomimetic antagonist, and therapeutic drugs, and analysis of a proposed achilles’ heel conserved region to minimize probability of escape mutations and drug resistance. Computers in Biology and Medicine 121(2020) 103749

2020年6月29日月曜日

令和2年6月の畑の様子

620に他県への訪問も含め自粛が大きく緩和されたことから、21日から26日まで岩手の畑に行ってきました。 朝830分頃に牛久インターから常磐高速道路に乗り仙台南高速道路を経て大衡インターチェンジで東北自動車道路に入りました。途中、中郷サービスエリアなど数か所のサービスエリアで休憩をとりましたが、前沢サービスエリアの散歩コースではアゲハチョウとイチモンジチョウが飛んでいました。 夫婦二人で約7時間のドライブです。

アゲハチョウ(前沢サービスエリア)

 5月末にトマトやパプリカの市販苗を植え、さらに昨年収穫したジャガイモの定植と豆類の播種を行いましたが、雨が少なかったにも関わらず、皆なんとか無事に育っていました。

豆畑の様子

今回は草刈りや草取り、さらに蔓性の豆類への網掛けなどを行いました。

ジャガイモや豆類の生育状況

20年以上前にビックリグミ2本を植え育ててきましたが、今までほとんど果実が実りませんでした。2本とも木の枝がだいぶ茂ってしまったので、昨年夏に思い切ってかなりの枝を切り落としたところ、今年は赤い実がそれぞれたくさん付いていました。丁度完熟の時期で、甘くて渋いなつかしい味でした。

 小さいころかなり美味しいと思っていましたが、舌に残る渋が気になりました。家内は食べませんでした。

生食以外の加工法が分からなかったので、そのままにして帰ってきましたが、収穫してジュースにすれば良かったと反省しています。

 次回は梅の収穫を楽しみにしています。

6月28日(日)の全国の新型コロナへの感染者が113人となり、100人を超えたようです。油断するとまちがいなく増加するようです。

 


2020年6月20日土曜日

新型コロナウイルスに対する抗体産生の状況


日本でも新型コロナの抗体検査が行われるようになりました。6月16日の厚生労働省の発表によると東京都(被験者:1971人)と大阪府(2970人)、宮城県(3009人)での検査結果は、東京都は0.1%、大阪府が0.17%、宮城県が0.03%になったとのことです。本日、620日の岩手県の発表によると、医療関係者を含む1000人の検査を行ったところ、陽性は0人とのことでした。

各都府県が公表している数値と照らし合わせると、東京都は2倍以上、大阪府と宮城県は10倍前後感染経験者が存在するということになります。

「日本での感染者は本当に少ない」ということが良く分かりました。「検査数が少ないから少なく見えるだけ」ということではないようです。

欧米に比べで何故少ないのかの理由がまだ分からないので、感染者が少ないと二次感染が心配だとする意見も多くみられます。「日本では、3蜜をしっかり守っている」ことが、やはり主要な要因なのでしょう。

 でもやはり、一度感染したら感染しにくくなるのかなどヒトと新型コロナウイルスの戦いの仕組みが分からないと心配です。

Trend in immunologyにコロナウイルスのヒト細胞への侵入と増幅機構に関する図が掲載されていましたので自分のためにできるだけ日本語にしてみました。感染から複製まで全くDNAが関与していないことに驚かされました。セントラルドグマに従っていませんでした。
コロナウイルスの感染と増殖スキーム
新型コロナウイルスの感染に伴い、RNAの情報を基にして数種の主要なタンパク質が感染細胞内で合成されますが、それらはヒトにとっての異種タンパク質であるため抗原になると思われます。しかも一つのタンパク質が複数の抗体認識部位(エピトープ)を持つそうなので、ウイルス感染に伴いヒトが生産するIgG抗体の種類はかなりの数に上るものと予想されます。こうした抗体混合物はポリクローナル抗体と呼ばれるようです。

このポリクローナル抗体の中に、新型コロナウイルスの感染や病原性を阻害できる中和抗体存在するとのことなので、それらに関する最近の研究を調べたところ、スパイクタンパク質のヒト細胞ACE2結合部位に存在する3種の抗原認識部位(エピトープ)A,B,Cの内のAが最も優れた中和活性を示したとする報告がScience誌の6月版(最新)に報告されていました。
新型コロナウイルスの疾病予防作用を持つ抗体の探索


ワクチン開発は、国家間あるいは企業間の競争になっている様子なので公表されていない成果がたくさんある可能性もあり、WHOへの期待が高まります。

 PubMedSars-CoV2Antibodyを検索したところ643件がフィットしました。SarsCov2AntibodyJapanを検索すると11件になります。日本も頑張っていますが、さらに研究が進むような環境の改善を願っています。

参考)
1)Shibo Jiang et al.:Neutralizing Antibodies against SARS-CおV-2 and Other Human Coronavirused, Trend Immunology 41(5), 355-359(2020)
2)Thomas F. Rogers et al.: Isolation of potent SARS-CoV-2 neutralizing antibodyies and protection from disease in a small animal model. Science 15 June (2020)

2020年6月13日土曜日

人面カミキリ(ラミーカミキリ)に出会いました


612日に東京アラートが解除され休業要請などの緩和が「ステップ3」になりました。油断すると感染者がまた増え始めるかもしれませんので、気の抜けない生活が続くことになります。終息に向けた展望が欲しいです。

牛久市は曇り空で雨が心配でしたが、久しぶりに市がヘルスロードとして推奨している「鎌倉権五郎景政物語コース」を散歩しました。

奥野障害学習センター駐車場を出て再びそこに戻るコースで、広々とした畑の中を通過し、中間地点には「鎌倉権五郎景政」の墓があります。

今回は、そのお墓の少し前の田んぼ脇の道端で見慣れないカミキリムシに出会いました。調べてみたところ「ラミーカミキリ(Paraglenea fortunei)」のようです。ラミーカミキリの胸部には黒い丸印が二つあることから、人間の顔にも見えるとのことで人面カミキリとも呼ばれているようです。東京都以西ではよく見かける外来種とのことのようで、温暖化に伴い北上していると言われているようです。
ラミーカミキリ(Paraglenea fortunei
国立環境研究所の侵入生物データベースでは茨城県はまだ外来分布域になっていませんが、5年ほど前に土浦市でも既にラミーカミキリが捕獲されているようなので、茨城県南部にはもう定着し始めたのでしょうか。

 久しぶりにツバメシジミにも出会いました。
ツバメシジミ(雌)
 実は、511日にもこのコースを散歩しました。その際には畑の小麦はまだ青々としていましたが、今回はもう刈り取り時期のようでした。大根も収穫されているようでした。
5月11日          6月12日
(小麦の生育の様子)
 511にはたくさんの昆虫に出会いました。特にヒメウラジャノメは、林沿いの散歩道でたくさん見かけました。今回の散歩では見かけませんでしたので、ヒメウラジャノメは春早く出現する特性があるのでしょう。また、キバネセセリもハルジオンの花にとまっていました。
ヒメウラジャノメ 5月11日撮影
チャバネセセリ 5月11日撮影
 そのほか、ホソハリカメムシやアカサシガメ、ツヤマルカメムシ等のカメムシ類やウリハムシ、コアオハナムグリ、ナナホシテントウ、シマハナアブなどがいました。
ホソハリカメムシ、アカサシガメ、ツヤマルカメムシ、ウリハムシ
(5月11日撮影)
 これからも時々このコースを散歩したいと思っています。

2020年6月11日木曜日

6月初旬の七時雨山への登山


 6月2日でほぼ畑作業に切りが着いたので、3日の朝から七時雨山に登りました。

七時雨駐車場に955分に到着し、登山者用のゲートを開けて1合目を目指して歩き始めました。1合目から3合目までは牧草地や民有地の畑の淵を通るルートです。1合目と2合目の間には4本の大木からなる天然のゲートがあります。何度か通過した覚えはあるのですが、改めて木々の雄大さに感心させられました。爽快でした。
七時雨駐車場から望む七時雨山


七時雨山3合目までの様子
4合目からは林が続き結構きつい登り坂でしたが、道端にはタチツボスミレとともにマイヅルソウがたくさん生えていて目を楽しませてくれます。6合目と7合目の間にはシラネアオイが咲いていました。花は終わりの状況でした。
マイヅルソウ
六合目とその先にあったシラネアオイ
8合目から北峰までは平たんなコースになっており、林の中で新鮮な空気を吸いながらのハイキングになりました。
北峰頂上から南峰を望む
 まもなく北峰頂上(1,060m)にたどり着き、南峰を目指し歩いていたところ谷間の笹を切り開いた登山道の両側にキクザキイチゲの小さな群落がありました。エンレイソウもキクザキイチゲに交じって咲いていました。
キクザキイチゲ
 南峰(1,063m)には1120分頃に到着しました。今回登山途中には誰にも会いませんでしたが、南峰頂上の草原に一人の若者が座り景色を眺めていました。6月上旬にはこれまで七時雨山山開きが開催され、地元の方々が大勢登山されていたようですが、今年(2020年)は中止になったようです。地元の七時雨山愛好者の方々が登山を楽しみにしていたことでしょう。少し申し訳ないような気持ちですが、たぶん今後数人ずつ登山されることになるのでしょう。ありがたいことに、登山道はきちんと整備されていました。
七時雨山南峰頂上からの眺望
 頂上で少し休憩し下山しました。下山途中の6合目付近で、一本のシラネアオイに出会いました。登るときには気づかなかったのですが、たぶん一生懸命登っていたので、目にはいらなかったのでしょう。綺麗でした。実は花に小さな蟻が群れていたので、花を揺らしアリが逃げていなくなった空きに写真を撮りました。
七時雨山のシラネアオイ

6合目を過ぎたころから雨がぽつりぽつりと振り出しました。曇り空の下での登山でしたが、七時雨の名のとおり(1日に7回時雨れる)、雨に少し打たれて七時雨らしさを体験することができたように思いました。

いつもそうですが、今回も記憶に残る登山になったと思います。

七時雨山駐車場付近には、タニウツギがたくさんあり、ちらほら咲き始めていました。530日にはまだ蕾の状態でしたが、どんどん春が深まっている気配です。七時雨のタニウツギは本当に綺麗です。でも今年は、これが見納めです。
七時雨のタニウツギ

4日に牛久に帰りました。

2020年6月10日水曜日

春の七時雨の様子(田代山と駒木立などに登山しました)


528日から2日間草刈り機での除草作業が続いたので、ハンドルを握り支える右手中指の爪が痛み出したこともあり、息抜きとして30日の朝から七時雨に出かけ田代山や駒木立などに登山しました。

これまでは田代山に直登するコースで登山していましたが、今回は三曲山を経由する尾根沿いのコースを選択し、三曲山から三方沢山、田代山を縦走し駒木立に登頂し田代山コースで下山しました。910分に七時雨山駐車場に到着し、直ぐに登山口を目指して歩き始め1130分頃に駐車場に戻りました。
三曲山から駒木立までの尾根伝い登山コース
(三曲山登山口から駒木立を経て田代山登山口へ下山)

新型コロナウイルス予防による自粛のためかも知れませんが、他の登山者は下山の際にすれ違った1組だけでした。でも、さわやかな快晴下での登山でしたので、尾根からの景色にすっかり魅了されました。特に、駒木立からの眺望は最高でした。
駒木立からの眺望
三曲山の登山口に向かう途中の草原には小さなフデリンドウがあちこちに咲いていました。
フデリンドウ
また、細い登山道の両側にはたくさんのタチツボスミレが咲いていて、そのスミレにミヤマセセリが止まっていました。このミヤマセセリとは、しばらく一緒に登山することになりました。私が追いかけながら歩くことになり、ミヤマセセリには迷惑だったのでしょうが、楽しい道連れでした。
タチツボスミレの蜜を吸うミヤマセセリ
三方沢山を経て田代山頂上に着いたところで、キアゲハに出会いました。頂上の主のように飛び回っていました。速すぎて写真を撮れません。

田代山と駒木立の中間には芝生の原があり、そこでしばらく休憩しました。誰もいないので寝転んでもOKでした。目の前に、日本スミレが1本だけ凛とした佇まいで咲いていました。何だかハッとしました。
日本スミレ
一休み後、駒木立に登り頂上で山桜等の写真を撮り、田代山コースで下山しました。下山途中の登山道にはつつじが咲き、春ゼミが鳴いていました。以前春ゼミを捕まえたことがありますが、今回は無理でした。代わりに珍しい蝶々あるいは蛾が笹の葉に止まっているのを見つけました。後でインターネットで簡単に調べたところエダシャク蛾のようですが、同一の写真を見つけることができませんでした。ミヤマセセリと同じように登山道付近を飛び回っている様子でした。
エダシャク蛾(?)
 しばらく歩き麓付近まで下ったところにチゴユリの群落がありました。
チゴユリ
 駐車場には結構車が止まっていました。この時期は、登山よりもワラビ等の山菜採取が目的の方が多いようです。大きなリュックをかついで、数人が藪の中に分け入っていきました。今回、親戚からたくさんのワラビ頂きました。少し申し訳ないように感じています。
 でも、本当にさわやかで楽しい登山でした。自然に感謝です。
 岩手県は、唯一新型コロナ感染者0人を継続中です。
 

2020年6月9日火曜日

岩手の畑に苗や種を植えました


528日からの岩手の家の周りや畑の除草を行いました。時々山登りをするなどの息抜きをしながらですが、草刈り機で3日ほど作業を行いました。
草刈りをした畑の様子(5月30日)

伸び放題だった雑草を刈り取った後、トラクターで畑を耕してもらいました。

その後、畝づくりをしてキタアカリや男爵等のジャガイモを植え、さらにトマトやパプリカ等の市販の苗を植えました。

今年は新型コロナ予防のため、畑に通う回数が少なくなる可能性もありますが、とりあえず昨年度同様に豆類を栽培することにして、紅花豆、トラ豆、黒大豆、小豆を播種しました。数本のブルーベリーも元気に花を咲かせていました。
畑に植えた苗とブルベリーの様子

合わせて正味7日間の作業でしたが、その間に田代山(標高945m)と七時雨山(標高1,063m)に登山しました。

 畑では、作業をしながら目に留まった昆虫類の写真を撮りました。最初に目にとまったのはやはり蝶々ですが、モンシロチョウの他にベニシジミが飛んでいました。
ベニシジミ

 また、牛久城址で429日に今年初めて見たコアオハナムグリが(58日ブログ参照)、岩手の畑のハルシオン(春紫苑)の花に数匹いました。タンポポの綿毛の中で交尾しているブチヒゲカメムシにも遭遇しました。畑仕事が忙しかったので、たくさんの虫がいたものと思いますが、今回畑で写真を撮ったのはこの程度でした。
岩手の畑にいたコアオハナムグリ
ブチヒゲカメムシ
 できれば、6月末にも畑にまた来たいと思っています。




2020年6月8日月曜日

緊急事態宣言解除後に通った高速道路サービスエリア内の昆虫など


 5月27日に緊急事態宣言が全国的に解除されたことから岩手に出かけ、64日まで滞在し「ささやかな手抜き菜園」で畑仕事をしてきました。

 牛久インターから高速道路に入り、サービスエリアで休憩する度に花や虫などの写真を撮りました。多くのサービスエリアでブタナ(タンポポモドキ:201866日ブログ参照)が咲いていました。

東北自動車道路の長者原サービスエリアでは、白花のアザレアが綺麗に咲きコマルハナバチが訪れていました。クサギカメムシもいました。以前青色の珍しいカメムシに出会ったので(2019715日ブログ参照)、しばらく探索しましたが見つかりませんでした。
東北高速自動車道で出会った草場や昆虫(5月27日撮影)
 クサギカメムシはスコットカメムシとともに越冬のため、よく家屋に侵入するようです。風呂桶で泳いでいるカメムシを見て驚いた経験がありますが、越冬カメムシの侵入防止にはヒバやスギ、アスナロなどのテルペン類が有効だとする報告が見つかりました1)

前沢サービスエリアではクロヒカゲに遭遇しました。なかなか素早いです。
下りの前沢サービスエリアにはウサギ小屋があり、一匹のモフモフした珍しい灰色ウサギがいたので、草をちぎってあげることを楽しみにしていましたが、昨年末から姿を見かけませんでした。今回、掃除などをしている方に伺ったところ、昨年末に足をかまれて死んでしまったとのことでした。狐の仕業なのでしょうか。残念です。自分のペットのように思っていました。
東北自動車道下り前沢サービスエリアのウサギ(2019年7月22日撮影)
(2019年の年末に死亡)
64日岩手からの帰り、上りの高速道路では中郷サービスエリアでサトキマダラヒカゲの写真を撮ることができました。サトキマダラヒカゲは上の写真で示したクロヒカゲと同様にジャノメチョウ亜科に属しているようですが、クロヒカゲより一回り大きなサイズで結構目立ちます。岩手の山では時々見かけていますが、高速道路のサービスエリア内では初めて見たように思います。
常磐高速道路中郷サービスエリアのサトキマダラヒカゲ(6月4日撮影)
垣根の葉には、小さいながらゴツゴツした感じのオジロアシナガゾウムシがいました。また、赤色の細いカメムシ様の昆虫もいました。後で調べたところ、アカサシガメのようです。ハムシなどの小型昆虫を捕食するとのことです。
中郷サービスエリアの昆虫(6月4日撮影)
どのサービスエリアでも雑草の刈り取りがしっかり行われているので、虫に出会う回数は少ないのですが、虫探しは、短い休憩時間の一つの楽しみになっています。



参考)

1)齋藤 嘉廣ら:家屋侵入性カメムシに対するテルペン製剤の侵入阻止事例(続報)、ペストロジー、20(1)37-39(2005)


2020年5月25日月曜日

緊急事態宣言が解除されたのでささやかな手抜き菜園に行きます


本日5月25日に日本全体の緊急事態宣言の解除を政府が決定しました。解除の条件は、「10万人当たりの一週間の感染者が0.5人以下」とのことです。残念ながら、北海道と神奈川はこの条件を満たしていないようですが、全国一律解除に踏み切ったようです。

 近隣のアジア諸国の状況をWorldometerが提供しているデータで確認したところ、逸早く収束に向かったのは韓国で、次いで台湾、タイと続き、日本もほぼ終息に近い状況になっています。一方、フィリピンやインドネシアはまだ感染が継続しています。

 521日現在、日本の致死率(死亡者数/感染者数)は4.7%ですが、タイは1.8%、台湾は1.6%で韓国の2.4%より低い数値になっています。検査数の違いもありますので、単純に比較しても意味がないのかも知れませんが、爆発的な感染が生じた欧米に比べ、極めて低い値になっていることが不思議です。オーストラリアとニュージーランドの感染もほぼ終息を迎えており、致死率はそれぞれ1.4%1.8%と低いので、人種によって感染しやすさや致死率に差異があるようには見えません。

門外漢ですが、なぜこのように感染状況が各国で異なるのか興味がありますので、これからも感染データに注目したいと思っています。

全国の緊急事態宣言は解除されましたが、観光などのために他県へ移動することについては自粛するようにとのことのようです。私の「ささやかな手抜き菜園」は岩手県にあることから、農作業をするためには茨城県から福島県、宮城県を通過して岩手県に移動しなければなりません。3月末以来岩手には出かけておりませんでしたが、そろそろ農産物の種まきや草刈り等がタイムリミットに近づいているので、明日から岩手に出かけようと思っています。草ぼうぼうなんだろうか。心配です。

2020年5月8日金曜日

コアオハナムグリのライフサイクル         コガネムシ、カナブン、ハナムグリ


Stay Homeが合言葉になっていますが、5月5日散歩に出かけました。鯉のぼりがあちこちに飾ってあるはずなのに、今年は全く見かけませんでした。たくさんの子供で賑わう牛久市役所広場での鯉のぼり展示も中止になりました。勿論、人通りも少ないのでかなり違和感というか寂しさを感じました。自粛が徹底していて、みんな凄く律儀だなと思います。

いつもの通り牛久城跡に立ち寄りましたが、実は前回(4月29日)の散歩で牛久城の跡地でコアオハナムグリの集団に遭遇した際、一か所からブーン・ブーンと湧き出るような感じだったので、一斉に羽化したのかなと思っていましたが、調べてみたところそうではなくて、越冬のために地面に潜っていた成虫が一斉に飛び出た瞬間だったようです。その瞬間に偶然遭遇できた訳です。

今回は前回より丁寧に観察し、青色だけではなくて茶色に近い成虫の写真も撮ることができました。また、コアオハナムグリと同じサイズのクロハナムグリの写真も撮ることができました。



カブトムシやクワガタ、コガネムシ、カナブンなどは幼虫で越冬するので、このコアオハナムグリも同じだろうと思っていましたが、違いました。良く見かけるカナブンの1/2程度の大きさの、このコアオハナムグリは秋に成虫になり地面に潜って越冬するとのことです。寿命は1年のようですが中には2年間生き延びる個体もあるようです。クロハナムグリもコアオハナムグリと同じ生活環のようです。

 和歌山県1)と東京都2)でのコアオハナムグリの発生サイクル(生活環)を調査した報告がありましたが、どちらも4月末に越冬した成虫が飛び始め、夏に卵から幼虫、蛹を経て秋に成虫になり様々な花を訪問して栄養を蓄え越冬するということのようです。

 日本で調査されるハナムグリ類には、このコアオハナムグリの他に、ナミハナムグリ、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリなどがあるようです。実は、すべて見たことがあるのですが、コアオハナムグリ以外はよく見かけるカナブンと同じぐらいのサイズなので、幼虫で越冬するようです。

 なお、コアオハナムグリはミカンの花にも飛んでくるようで、花を食べる際に子房を傷つけ果実に障害が生じることから害虫として駆除されているようです。

 誘引剤としては、アネトールとオイゲノール、ゲラニオールの等量混合物が有効とのことです。これらの誘引物質に魅了されて類似の甲虫が集まる可能性があるので、使ってみたいと思っています。


 コガネムシ、カナブン、ハナムグリの分類は結構難しいようです。これを機会に、見かけたら写真を撮って調べてみたいと思っています。

参考)
1)松浦 誠:コアオハナムグリの発生経過、関西病虫研報、1828-321976
2)岸本 圭子ら:国内外来種を含む訪花性ハナムグリ亜科5種の発生状況、保全生態学研究、22159-1702017


2020年5月4日月曜日

新型コロナウイルス収束に向けた実数把握と助け合い


緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。外出自粛が続きます。アジアや欧米での感染は収束に向かうような気配になっており、二巡目の感染がいつ来るのかが話題になり始めています。

でも、それまでに有効性の高い医薬品やワクチンが提供できるのかどうかは不明のままです。サーズ(SARS)やマーズ(MERS)のワクチンができなかったのは、世界的な水際対策が奏功したことによって、感染を逸早く抑制できたからかのように思われていますが、その影で、もしかしたらワクチン開発が難しかったことも一つの原因だったら、大変です。

ユーチューブで Martin HurkensYou rise me up (https://www.youtube.com/watch?v=4RojlDwD07I) を聞いたら、少し涙がでました。年のせい?   イタリアのトリノオリンピックでの荒川静香選手のイナバウワーが目に浮かびました (https://www.youtube.com/watch?v=y_74NLQG9tw) 。早く収束して欲しいです。
You rise me up
世界が困っている時には、企業を含めてほとんどの人は「助けたい、力になりたい」と思っているように感じます。

南アフリカでは抗争するギャングが、この緊急事態を目にして、休戦し困窮者に食事の配達をする役割を担っているそうです。皆人間なのです。いつか死にます。

ワクチン開発を頼りにして、自粛しながら待つことが正しいのかどうかは誰も分かりません。ヘルペスウイルスやHIVのワクチンは長い年月を経てもまだ開発されていません。

ウイルスや病原体の核酸検出(PCR検査)や抗原検査、抗体検査技術の開発は日進月歩で、必要性がありかつ予算が投入されれば急速に進歩するように思います。既にベンチャー企業もクラウドファンディングを活用し活動を始めており心強いと思っています。

一方、フォトン数個を検出する技術を持つ浜フォトや高分子検出で世界をリードする島津製作所等などのような優れた企業の多い日本が、例えば東大や京大等の大学さらに国立研究機関等の英知を集めて抗原や抗体の高感度検出技術開発に一丸となって取り組めば、たぶん早々に現在のPCR検査の困難さを克服した、血液や唾液での新型コロナウイルスの検出技術を開発できたのではないかと素人ながら思います。
現在の技術を駆使した最高水準のキットの作製に取り組み早急に提供し、理想形への改善については予想より期間が長くなっても決して悔いはないと思いますし、ベンチャー事業を評価し応援することになってもいいと思います。思いが一つであれば皆集まると信じます。

この災難に向かい助け合い、今をしっかり生き、将来の災いを消す思いが大事です。

感染者の実数とその分布、そして動態を無理なく簡易に把握することができれば、経済活動の自粛・再開を迷うことなく決定できるはずです。事情主も一緒です。感染させない、感染の場にならないとの重圧に耐えて営業するためには、事実を知る必要があります。
実数が把握できず、予測だけで決定することには誰でも不安があり、失敗を恐れるあまり厳しい措置を継続することになります。市民は事実を知らない方が良いとする方法は、とりあえず最悪の災難を防ぐ方法であって、前例として定着させてはならないと思います。

日本は世界で最も長寿の国を実現し、疾病の治療から予防に向けた医療体制にシフトした結果、他国に比べ医師が少なく薬剤師の増加が顕著になっていますが、この新型コロナウイルスの経験を経て、医師を増加させることによって医療体制にゆとりが生まれるようになることを願っています。
医学部学生数の国際比較
薬剤師数の国際比較
ジョンホプキンス大学のデータによると、国民当たりのPCR検査数が最も多く、既に感染が抑制されているアイスランドでの新型コロナウイルス感染による死亡率は0.6%のようです。若い方のPCR検査率は低いものと予想されることから、実際の死亡率はもっと低いので、今回の新型コロナウイルスについては、病院と高齢者施設さらに就業率の低い高齢者に対する感染を従来以上に厳しく制御する体制を敷くことで、あまり経済活動に影響を与えることなく凌ぐことができるように思われます。

スウェーデンやブラジルでは、たぶん内情は異なるものと思われますが、経済活動の制限を他国より緩くし、当面の労働者の生活を守る方向を重視した新型コロナウイルス対策を行っています。今後数年間継続するものと予想される新型コロナウイルス感染に伴う被害の実数が、それぞれの国の政策の適否を歴史的に決めることになるものと思います。

 今回は、医療関係者に負担をかけない簡易な迅速検査技術の開発が、最も緊急でかつ可能性の高い重点施策だったように思っています。検査の継続よって、抗体の形成率やその安定性・持続性等の特性把握もできるように思います。
 若くして財をなした方々のリーダーシップ期待されています。二巡目に間に合うといいのですが。