2021年5月31日月曜日

筑波山の林道にテングチョウがたくさんいました(5月下旬の筑波山林道)

   筑波山のキャンプ場付近の林道で、たくさんのテングチョウに会いました。道路の水たまり付近に10匹以上飛んでいました。テングチョウを初めて見てそれと確認したのが今年3月だったので、今まで何故分からなかったのか不思議です。皆きれいな翅なので、羽化まもない蝶のようでした。


筑波山キャンプ場付近のテングチョウ(5月28日)

コミスジチョウやミドリヒョウモンも飛んでいました。


もう5月が終わります。4月の芽吹きから山々の景色もすっかり変わっています。山の様子も4月初めに比べると木々が密集して、もう窮屈そうに見えます。春もそろそろ終わりのようです。

林道ではコアジサイがいたるところで淡い青色の花を咲かせています。つい立ち止まって見てしまいます。シモツケソウも見つけました。なかなか見つからないのですが、コアジサイに劣らず綺麗です。


5月下旬はナルコユリやホウチャクソウなどユリ科植物の花が目立ちます。たくさん垂れ下がったナルコユリの花にトラマルハナバチが止まっていました。花が細長いのに蜜を吸えるのだろうかと思いました。

小さなツルニンジンのような花も見つけましたが、ツルニンジンは夏から秋にかけて花が咲くとのことなので、良く調べたところハンショウヅルのようです。初めて見ました。渓流沿いにひっそりと咲いていた綺麗な花でした。

女川登山口からの筑波山登山は結構きつい上り坂です。苔むした岩が綺麗でした。

ゆっくり、ゆっくり登ればいいのですが、いつも急いでしまいます。

新型コロナウイルスの抗体の特性解明が進んでいます(ADEやOAS解明への期待)

    5月17日からワクチン接種の予約が始まりました。今日(5月31日)も9時からトライしましたが、9時05分過ぎに当日分が決定したとの掲示が出ました。残念。

新型コロナウイルスについてはアジアでの感染増加が懸念されているようです。5月29日にはベトナムでイギリス型(B.1.1.7(69del, 70del, 144del, N501Y, A570D, D614G, P681H, T716I, S982A, D1118H ))とインド型(B.1.617.1 (G142D, E154K, L452R, E484Q, D614G, P681R, Q1071H)1)の混合変異株が確認されたとのニュースが報道され、変異株への警戒感がさらに高まっています。

最近、新型コロナウイルスの抗体依存性免疫増強(Antibody-Dependent Enhancement: ADE)作用に関する大阪大学の研究論文がCell誌に発表2)され、これも大きな話題になっているようです。

ADEは、抗体を獲得しているのに、かえってそれが原因になり感染増強や重症化が生じる現象とのことで、デングウイルスやエボラウイルス、さらにSARSMERSで確認されていたとのことです。

私たちが病原性ウイルスに感染すると、実は、たくさんの種類の抗体が体内に形成されるようですが、生じた全ての抗体が病原性ウイルスの撲滅に役立っているということではないようです。

大阪大学の荒瀬 尚先生のグループは新型コロナウイルスへの感染によって患者に生じたスパイクタンパク質に由来する74種類の抗体に着目し、アミノ基末端ドメイン(NTD)由来やレセプター結合ドメイン(RBD)由来、S2部位由来の3群に分類し、74の抗体それぞれが、宿主(ヒト)細胞のレセプターであるACE2Rとの結合性を弱める(感染力低減)のか、高めるのか(感染力増加)を精査しています。

その結果、RBD由来の抗体は感染力を弱め、NTD由来の抗体は逆に感染力を高め、一方S2由来の抗体は影響を与えないことが明らかになったとのことです。

 なお、NTDに由来する抗体4A83は、変異が比較的多いRBDに由来する抗体ではないことから、あらたな安定な中和抗体としての可能性を持つものとして注目されていますが、今回の論文のデータによるとACE2との結合力を弱める作用はないようです。

 ADEを誘発する抗体は、抗体FabFragment antigen binding)領域の病原ウイルスへの結合力が不十分であるため、食細胞のウイルス貪食作用(オプソニン作用)がうまく進まず、むしろ食細胞にウイルスを呼び込み、食細胞内でウイルスの増殖を招くとされていたようです。

 今回の発見では、ウイルスNTD由来の抗体がNTDに結合することにより、スパイクタンパク質の立体構造が影響を受け、リセプター結合部位の露出が増え、感染力が高まるものと推定しているようです。

この現象は、変異株のD614Gでも観察されています。

生じた抗体の網羅的な解析は、大変な労力を要することになりますが、新たな発見につながるように思います。

新型コロナウイルスについて、OASOriginal Antigenic Sin)の視点から従来のコロ風ウイルスの抗体と比較する研究も行われている4)ので、網羅的な解析による今後の発展が楽しみです。

従来のコロナ風邪ウイルスの抗体をかなりの方が保有しているとの報告もあるので、新型コロナウイルスと同類のβ-コロナウイルスに属するHCoV-OC43やHCoV-HKU1への感染経歴や、ACE2がレセプターになっているα-コロナウイルスのHCoV-NL63への感染経歴と、さらにそれぞれの抗体の特性などに対する関心が増しました。

Worldometorの新型コロナウイルスによる死亡者数データを見ると、ハンガリー(0.30%)やチェコ(0.28%)、スロバキヤ(0.23%)、ブルガリア(0.26%)、北マケドニア(0.26%)など近隣諸国の死亡率が他国(米国(0.18%)、日本(0.01%))より高いようなので、地域性が気になります。

参考)

1)     国立感染研究所:SARS-CoV-2の変異株B.1.617系統について(第2報)2021512

2)Yafei Liu et al.: An Infectivity-enhancing site on the SARS-CoV-2 spike protein targeted by antibodies., Cell(2021), doi:https://doi.org/1016/j.cell. 2021. 05.032.

3)Chi X et al.: A neutralizing human antibody binds to the N-terminal domain of the Spike protein of SARS-CoV-2., Science 2020-06-22

4)Aydillo T., et al.: Antibody Immunological Imprinting on COVID-19 Patients.,  medRxiv preprint. Doi. https://doi.org/10.110/2020.10.14.20212662.

2021年5月22日土曜日

ワクチン接種予約とヤマボウシの花

   牛久市も高齢者へのワクチン接種予約が17日(月)から始まりました。朝9時から電話やWebでの予約が可能になりました。

今のところハイキングを楽しめるほど元気で、後期高齢者の一歩手前でもあるので、リスクの高い方々の後に並ぶようにした方が良いのではないかとも思っていましたが、でも、感染すると周りに迷惑をかけるので、迷いもありましたが月~金まで夫婦で手分けし、5日間Webと電話でトライしてしまいました。

ダメでしたが、何故かホッとしたような感覚です。懲りずに来週もトライします。

先日筑波山の林道を歩いていた際に、白い小さな蛾が飛び立ちヤマボウシの花に止まりました。街路樹のハナミズキの花はほぼ終わりましたが、今、里山ではハナミズキと近縁のヤマボウシの花が綺麗に咲いています。

ヤマボウシの花に止まった蛾がヤマボウシの花の白色とマッチしていたので強く印象に残りました。後で調べたところ「ゴマダラシロエダシャク」であることが分かりました。

胴体にも黒い斑点があり、ダルメシアンのようです。

少し前、牛久沼付近を散歩した際にモンシロチョウの2倍以上もありそうな白い蝶々を見かけました。アカボシゴマダラの春型とのことです。本来は黒色の部分が多い蝶なのに色が違いすぎます。その際にもその「白さ」に驚きましたが、初春の黄色い花々の開花に続き、里山は今、白い花が目立つようになっています。

牛久沼付近で撮影(5月15日(土))

筑波山の林道ではヤブデマリの花も咲いていました。園芸種のコデマリは球状ですが、ヤブデマリの花は平板状で、ヤマボウシと間違いそうです。

ガマズミの花も最盛期でエゴノキやコゴメウツギなど、たくさんの白い花を見ることができました。



初春に咲く黄色いヤマブキの花はほぼ終わりのようですが、フジの花のような咲き方をする黄色の花が、白い花々の中で目立っていました。後で調べたところ「ジャケツイバラ(Caesalpinia decapetala var. japonica)」とのことです。よく見ると花はそろそろ散り始めているようです。

ジャケツイバラは、花や樹皮が中国で生薬として使用されているネムノキ等のマメ科の樹木と同じような葉の形状をしていることから、その薬理作用について調べて見ました。

インフルエンザの感染阻害作用があるとの研究報告(1)が見つかりました。

インフルエンザウイルスの培養細胞での増殖抑制や、マウスを用いた動物実験での生存率の向上作用が認められたとのことです。マメ科なのでテルペノイドのサポニンやポリフェノールのフラボノイド等の有効成分が多種類含有されていると思われますが、同定等に関する報告はまだ出ていませんでした。

参考)

1)Li Zhang et al.: Ethanol Extract of Caesalpinia decapetala Inhibits Influenza Virus Infection In Vitro and In Vivo., Viruses, 12, 557, 2020.

2021年5月13日木曜日

筑波山渓流のニホンカワトンボのハート形成とその色について

    コロナ禍の中、街中に出かけにくいので筑波山を始め宝篋山や小町山、剣ヶ峰、雪入山、浅間山など千代田アルプスの登山ハイキングコースに良く出かけるようになりました。

以前、宝篋山からの下山の際に、東城寺を経由して小町の館駐車場に向かう沢沿いの山道で、緑色の綺麗なカワトンボに遭遇したので、その後、沢沿いの山道を歩く際には注意を払うようにしていました。

その甲斐があって、最近5月10日に筑波山キャンプ場付近の渓流でたくさんのカワトンボと出会うことが出来ました。

偶然にも、カワトンボの雌雄によるハート形成(交尾)も目撃しました。


実は、イトトンボとカワトンボの区別が出来ないほどの素人なのですが、翅の色が茶色のカワトンボを見つけた時は、しばらく追いかけてしまいました。でも、結局近づくことが出来ずピンボケの写真しか撮れませんでした。

緑色の成熟雄はなかなか綺麗です。


カワトンボ体表の鮮やかな緑色に興味を持ったので、その色を形成する色素について調べて見ました。

 良く見かける多くの甲虫類やクロアゲハの体表の黒色は ①メラニン色素のようです。人間の髪の毛の黒色物質と同じで、アミノ酸のチロシンが出発物質になっているようです。

 一方、蝶々などの色は、アミノ酸のトリプトファンを出発物質とする②オモクローム(Ommocrome)系色素と、RNAの構成物質でもあるグアノシン三リン酸(GTP)を出発物質とする③プテリン(Pterin)あるいはプテリジン(Pteridine)系色素によって形成されているようです。

  昆虫の体表色に関与する色素のプテリン(Pterin)の語源は、ギリシャ語のPteros(翅)に由来するとのことです。当時(1800年代)は蝶々の翅の色に関する研究が盛んに行われていたようです(1)。

 プテリンあるいはプテリジンに関して、現在はビタミンB2(リボフラビン)や葉酸などビタミンの基本骨格としても注目されているので、トンボの色素も、もしかしてヒトに対する生理的な機能性等があるのではないかと期待してしまいます。

 一方、オモクローム系色素の名称の由来は蛾(スジコマダラメイガ)の眼の色素とのことで、「複眼の色素(Ommochrome)」と名付けたそうです(2)。

 赤とんぼの雄が成熟すると黄色から赤に体表が変わるそうですが、この変化はオモクローム系色素が還元されることによって生じるとのことで、日本の研究者によってその詳細が最近解明されていました(3)。トンボは海外ではあまり興味を持たれることがないとのことなので、意外です。

筑波山周辺で見つけたカワトンボの雄はメタリックな緑色をしていましたが、論文を見ると、緑色の色素が存在するためではなく、体表のクチクラ層の影響や、その下の表皮に存在するプテリジン系色素やオモクローム系色素、メラニン色素などがそれぞれ固有の波長の光を吸収し、結果として体表から出る反射光が緑色になるようです(4,5)。

プテリジン色素やオモクローム系色素の中に、強力な緑色色素が存在するのかなと思っていましたが、違いました。表皮に存在する色素等の複合的な効果によって緑色が形成されるとのことです。

 蝶々やトンボ、甲虫など昆虫の体表の色には目を見張るような綺麗なものが多いのですが、まだ未解明の部分もあるとのことで、研究の今後の発展・トピックが楽しみです。

 

参考)

1)秋野 美樹:プテリンとその生理作用、化学と生物、16(12)762-768(1978)

2)二橋 美瑞子:昆虫のオモクローム系色素に関する知見―ショウジョウバエのパラダイムを超えて

3)Futahashi R. et al.: Redox alters yellow dragonflies into red. PNAS, 109(31), 12626-12631(2012)

4)G. Okude et al.: Pigmentation and color pattern diversity in Odonate., Current Opinion in Genetics and Development. 2021, 69:14-20.

5)MJ Henze et al.: Pterin-pigmented nanospheres create the colours of the polymorphic damselfly Ischnura elegans. J.R. Soc. Interface, 16:20180785

2021年5月12日水曜日

センチコガネやマイマイカブリなどの甲虫類の活動

   5月になり散歩中に甲虫と出会う機会が増えました。

県立中央青年の家に向かう道路でセンチコガネを見つけました。小さな体ですが、素早く道路を横切っていきました。かわいい綺麗な虫だったので、掴んでみたくなりましたが邪魔しないことにしました。センチコガネは結構人気があるようです。名前のセンチはセッチン(雪隠)に由来するとのことで、糞虫に属するようです。

一方、対照的に少し不気味で青味を帯びたマイマイカブリも発見しました。道端の枯れ葉に潜ろうとしていました。いまだに触れませんし、少し退いてしまいますが、刺激性の強いメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とする液体を尾部から噴射するそうなので、侮ってはいけません。


昨年、「牛久自然観察の森」の外側の道路で幼虫に出会っています。2齢幼虫から成虫になるとのことですが、1齢で1匹、2齢で1匹、合計2匹のカタツムリを食べるだけで成虫になれるとのことです。

ゴミムシも道路に出ていました。ゴミムシは種類が多くて形態が似ているので同定は難しいです。ゴミムシなので、ゴミを食べているものと思っていましたが、様々な昆虫の幼虫などを食べるとのことで、農業の面からは動物食の種類は益虫で、植物食の種類は害虫になるようです。テントウムシも動物食(ナナホシテントウなど)は益虫、植物食(ニジュウヤホシテントウ)は害虫なので同じような評価になっています。

5月8日にはハルジオンの花の花粉を食べているコアオハナムグリを見つけました。

また、ギシギシの葉には大量のコガタルリハムシがいました。周囲のギシギシはほとんど茶色に変色していました。コガタルリハムシに食べられたのでしょう。牧草畑では、コガタルリハムシはギシギシ類を退治してくれるので益虫あるいは生物農薬として評価する場合もあるようです。

ギシギシ類はこの時期に良く見かけるベニシジミの幼虫の食草です。ベニシジミはコガタルリハムシが活動するだいぶ前から飛びまわるので、春の幼虫はコガタルリハムシの影響を受けないのでしょう。でも、産卵の際に影響を受けることになります。ギシギシ類をめぐるコガタルリハムシとベニシジミの関係はどうなっているのか、かなり気になります。

生態系は多様な生物によって形作られ、微生物やウイルスも関与し複雑です。コンピュータの時代になり、膨大なデータを蓄積できるようになったので、やがてその全容が分かる時が来るのでしょう。そう期待したいです。

 

2021年5月11日火曜日

ネモフィラの季節(昼咲月見草とユウゲショウの関係)

     牛久沼までの散歩途中に遠回りになるのですが、田宮西近隣公園を通りました。10mほどの花壇にネモフィラやビオラが綺麗に咲いていたので、しばらく眺めていました。ありがたいです。

帰宅後に調べたところ、花びらの端に紫色の斑点があるネモフィラはマクラータ(斑点のある)と呼ばれているようです。

ライオンキングのハクナマタタ(Hakuna Matata:心配ないさ)が頭に浮かびました。ハクナマタタと言える日が早く来て欲しいです。斑点入りのネモフィラを次に見つけた時は、マクラータなのにハクナマタ~タと歌ってしまいそうです。

田宮西近隣公園から土浦牛久バイパス道路に出て少し歩いたところで、オオキンケイギク(大金鶏菊)の花を2本見つけました。綺麗な花ですが、強靭で在来野草を駆逐する性質を持つため平成182月に特定外来生物に指定され、栽培の禁止とともに駆除が推奨されているようです。

その付近で、ヒメウラナミジャノメを見つけ写真を撮りました。田宮西近隣公園でも見かけました。この時期結構頻繁に遭遇する蝶々の一つです。

牛久城跡ではダイミョウセセリに出会いました。小さな個体でした。黒いアゲハチョウも一匹飛んでいましたが、近くに来ませんでした。

牛久沼周辺では田植えが始まりました。

牛久沼を眺めて帰る途中に昼顔のような花を見つけたので写真を撮りました。昼顔にしては花びらが大きすぎるようなので、良く見たところ、花の中心に細い十字形の柱頭が飛び出していました。とても印象的でした。



後で調べたところ「昼咲月見草」のようです。観賞用として海外から持ち込まれた花が、野生化し道端に見られるようになったとのことです。

それにしても、なぜこんなに柱頭が飛び出ているのか不思議なのですが、自家受粉をしにくくするための植物の仕組みの一つとのことです。

この昼咲月見草の花を良く見ると、その1/10程度の大きさしかないユウゲショウの花に良く似ています。ユウゲショウの柱頭も十字形になっているようです。但し昼咲月見草のように飛び出ていません。どちらもアカバナ科マツヨイグサ属でした。

昼咲月見草とユウゲショウの関係とともに、なぜ昼咲月見草の柱頭が飛び出ることになったのかについて出来れば調べて見たいと思いました。

花器官(がく、花弁、おしべ、めしべ)は葉から進化し、そもそも花が美しいのは、あたりまえのことですが人間のためではなく、受粉などを媒介する昆虫や鳥の注意を引くためとのことで、ゲーテの「植物変態論(Metamorphose)」が良く話題になっているようです。

自分の花粉を完全に受け付けない仕組みは、自家不和合性と呼ばれ、めしべに自分の花粉がついても、例えば花粉管が伸長できない等のメカニズムが様々存在することが明らかになっているようです(1)。

昼咲月見草の場合は、自家不和合性ではないので、媒介昆虫がいない場合は自家受粉できる可能性を残していることになります。その仕組みの方が昼咲月見草には有利だったのでしょう。昼咲月見草の起源やそこでの生存環境に興味を持ちました。

参考)

1)特集記事 ワークショップ報告:アブラナ科植物における自家不和合性研究の最前線と育種現場での利用、育種学研究、21巻、61-68(2019)

2021年5月6日木曜日

五月の畑作業と七時雨山麓散策(花が3個のニリンソウやミヤマエンレイソウ)

   5月1日に岩手の畑に行ってきました。岩手山や八幡平山は、まだまだたくさんの雪に覆われていましたが、道路端にはタンポポがたくさん咲き、田んぼでは田植えに向けた耕運などの作業が行われていました。

雪の壁の中を通る八幡平のアスピーテラインは開通し、ドラゴンアイは5月末から6月初旬に見ることができると予想されているようです。

手抜き菜園ではスイセンが綺麗に咲いていました。今回は、雨が2日間降り時間が足りなかったので、ジャガイモと枝豆、黒大豆だけを蒔きました。今後、新型コロナが収束するようであれば、少し種類を増やしたいと思っています。

合間を見て七時雨山の山麓を少し散策しました。今まであまり気づかなかったのですが、七時雨の沢沿いにたくさんのニリンソウが咲いていました。木賊(トクサ)やカタクリ、ニリンソウ、キクザキイチゲをあちこちで見かけました。



筑波山にもニリンソウの群落がたくさんあり、登山途中に見入っていましたが、七時雨には赤味のある花びらを持つニリンソウがたくさんあり、しかも花が3個ついているものが多いようでした。ニリンソウの花の数は2個が基本で、1個から3個つくとのことなので、エコタイプなのかも知れません。なおサンリンソウは葉のつき方がイチリンソウやニリンソウと異なるようです。

エンレイソウやネコノメソウも見つけました。見つけたエンレイソウはどれも白い大きな花をつけていました。これまでに見たエンレイソウはどれも薄茶色の小さな花をつけていたので少し驚きましたが、後で調べたところ、白い大きめの花をつける種類はミヤマエンレイソウあるいはシロバナエンレイソウと呼ばれているとのことです。


その後、七時雨山への道沿いを散策しながら、七時雨山荘(温泉旅館)までドライブしました。山荘の近くにある一本桜を見たいと思っていました。山荘には登山者用の駐車場があり、そこに10台ほど車が駐車していました。他の登山者用駐車場にも車が止まっていましたので、結構登山者が多かったようです。登りたかったのですが残念。

残念ながら、一本桜の開花はまだでした。でも、数輪白い花びらが見えたので、数日後には開花しそうでした。今年は、蕾だけでも見られたので良かったです。

今回は、七時雨山麓の草花に癒されました。コロナ禍の中で筑波山や宝篋山、小町山、雪入山などに登り、様々な野草を見て回ったので見る目が養われ、これまでに気づかなかった草花に出会えたのでしょうか。そうあって欲しい。