茨城県から仙台に移り郷里の岩手の家庭菜園程度の畑に時々通い、その合間に雑草や昆虫等の写真を撮っていたところ、写真撮影も楽しくなり、畑仕事に加えあちこち散歩しながら動植物の写真を撮っていました。 その後仙台を離れ、茨城県に戻り岩手の手抜き菜園に時々通っていますが、新型コロナなど新たな事情で岩手への帰省が少なくなり、農作業よりも登山ハイキング等で出会う草花や昆虫の写真を撮っています。。。
2017年6月28日水曜日
オオイヌノフグリとジャガイモのアブラムシ
2017年6月27日火曜日
テントウムシの足跡物質とアブラムシ寄生蜂
30個の炭素が連なった炭化水素の融点は65.8℃です。その温度以下では個体状なので、それらはワセリンや潤滑油などとして用いられるそうです。テントウムシがガラス面を歩くと、ワセリン状の足跡物質がガラス面に付着し、テントウムシは落下を免れる訳です。足跡物質は、体表にも僅かに存在し、体表からの水の蒸発を防ぐ役割もしているものと考えられています。
参考
1)尾崎 晶子:日本応動昆誌、40(1)、47(1996)
2)Nakashima Y., et al. : J. Chem. Ecol., 32(2), 1989(2006)
2017年6月26日月曜日
ジャガイモ畑に青色の虫がいました
2017年6月25日日曜日
テントウムシの種類によって異なるフィロキセラ(ネアブラムシ)捕食率
2)Susanne Kogel et al.: Eur. J. Entmol., 110(1), 123 (2013)
2017年6月22日木曜日
基幹産業者としてのアブラムシの秘密はブフネラ菌
肉食性のテントウムシに加え、クサカゲロウ、オサムシ、アザミウマ、カマキリから鳥類のシジュウカラやキジまでアブラムシを餌としています。この他にも多くの動物の餌になることから、アブラムシは生態系における基幹産業者であると言われることもあります。基幹産業者とは、一次消費者すなわち植食性であって、特に大量に生息し、直接・間接に多くの動物の食料(餌)になり、生物群集の中で重要な位置を占めるものと認識されています。
参考
テントウムシが種を維持する仕組み「繁殖干渉」
2)高橋 敬一:日本応用動物昆虫学会誌31(3)、201(1987)
3)鈴木紀之:すごい進化「一見すると不合理」の謎を解く、中公新書(2017)
4)Ohsima I.:Sci. Rep. 2012年7月12日 オンライン発行
2017年6月21日水曜日
草食性ニジュウヤホシテントウの種分化
2017年6月20日火曜日
テントウムシの防御物質
2)Graham J. Holloway et al. : Chemoecology, 2, 7-14(1991)
2017年6月17日土曜日
テントウムシを探しました
2017年6月16日金曜日
飛ばないテントウムシと飛べないテントウムシ
参考
1)瀬古 智一:化学と生物、53(8)、542(2015)
2)新美 輝幸:Insect Mol. Biol., 15(4), 507 (2007)
2017年6月15日木曜日
生物農薬としてのテントウムシ
2017年6月14日水曜日
テントウムシによるワイン汚染とその回避
米国ではいま、テントウムシによるワインの汚染(ladybug taint)が問題になっています。頭にMあるいはWの黒文字が見えるハーレクインテントウ(Harlequin Ladybug or Ladybird)が増え、これがワイン畑に集まりワイン汚染を引き起こすようです。このテントウムシはアジア在来種で、日本ではナミテントウと呼ばれており、以前は欧米には分布していなかったようです。ヨーロッパ在来種はナナホシテントウで、これも今は米国に渡っています。
米国は1916年にアブラムシの天敵としてナミテントウを日本と韓国から導入し、グリーンハウスのアブラムシ対策に使用したとされています。ヨーロッパでも1975年頃からこのテントウムシをグリーンハウスで使用し始めたようです。その後、米国では1960年から1990年にかけて、農務省がピーカンナッツやリンゴの生物農薬としてナミテントウの有用性を検討していたため、多くの地域での利用が行われようになったようです。これに伴い、現在ではナミテントウが米国全土で繁殖し、1990年頃からは民家室内への不快な侵入者として嫌われる存在になりました。ナミテントウの蔓延は農業利用が原因ではなく、日本からの貨物船に潜り込んだものが繁殖したという説を唱えている者もいるようですが、いずれにしても、最近はブドウ園への飛来によるワイン汚染が恐れられるようになっています。
不思議なことに、アジア在来種のナミテントウと欧州在来種のナナホシテントウの体液には4種の香り物質(メトキシピラジン類)が存在し、そのうちの3種はブドウの有用な香り物質でもあることが分かっています。それなら問題ないでしょうということになりますが、これらのテントウムシはブドウの収穫期に房に集まり、それが混入すると香りが強くなり過ぎて、異臭として感じるとのことです。このワインのテントウムシ汚染は、2001年に北部アメリカのワインメーカーから初めて報告され、ワイン畑にテントウムシが多くみられるようになった時期と重なっています。実際にテントウムシを添加して白ワインを製造すると、ピーナッツやアスパラガス、ピーマン様の香が感じられ、フルーツや花様の香りが薄くなるとのことです。
このLadybugs taintへの対策として、2015に異臭を除去できるプラスチックポリマーが見出されていますので、大きな被害が生じないことを願っています。
参考)
1)Pickering GJ, et al.: Am.J.Enol Vitic., 55(2), 153 (2004)
2)Pickering GJ, et al.: Int. J. Food Sci. Technol.41(1), 77 (2006)