2021年10月29日金曜日

10月末、秋の筑波山登山

   1028日は晴天だったので筑波山に登りました。

桜川市真壁町のつくし湖駐車場に車を止め薬王院まで歩きましたが、前日は雨だったことから、薬王院までの登山道の湧き水に設置されている「鹿威し(ししおどし)」の音が軽やかに響いていました。

真壁町つくし湖から薬王院へ

薬王院から登山道を登り鬼ヶ作林道に出て、舗装道路をキャンプ場まで歩き、そこから三本松コースで女体山頂上まで登りました。

鬼ヶ作林道沿いの木々はまだ紅葉していませんでしたが、道の両側には落ち葉がたくさんあり、静かな秋の深まりを感じました。木々を眺めながら淡々と歩くだけですが、すーと心が落ち着きます。

鬼ヶ作林道を通りキャンプ場登山口へ

女体山頂上ではたくさんの方々が岩に立ち、景色を眺めていました。平日でしたが若い女性の方が多かったように思います。

女体山から御幸ヶ原に下ると、幼稚園の園児達が広場に敷物を広げ、列になって座り昼食を食べていました。ケーブルカーの前にも列が出来ていました。

御幸ヶ原を通過し自然研究路から男体山頂上に向かいましたが、途中の崖から紅葉し始めた木々の様子が見えました。

女体山頂上から男体山頂上を経て自然研究路へ

男体山頂上からの自然研究路への下りでは、ツクバトリカブトの花を見つけました。

鬼ヶ作林道で924日に撮ったオクトリカブトの花とは確かに異なり、筒状花ですがオシベやメシベが良く見える種類のようです。

鬼ヶ作林道のオクトリカブトと男体山のツクバトリカブト

その後、自然研究路を経て薬王院コースで鬼ヶ作林道まで下り、そこから薬王院まで舗装道路を歩き、つくし湖駐車場まで戻りました。

 自然研究路から薬王院への下山途中では、赤い実を付けた低木が目立ちました。よく見かける千両と勘違いしていましたが、ミヤマシキミ(億両)のようです。

ミヤマシキミ、ムラサキシキブ、ガマズミ、クサギ

鬼ヶ作林道を通って薬王院に向かう舗装道路では、ムラサキシキブやガマズミ、クサギなどの樹木の実があちこちに見えました。

 果実に白く長いヒゲが付いている蔓性の植物があったので写真を撮り、後で調べたところセンニンソウのようです。9月24日に花の写真を撮っていたので比べて見ましたが、花からは想像しにくい形の果実のように思いました。

センニンソウの花(9月24日)と果実(10月28日)
 

 センニンソウの花によく似たジュウモンジソウの花の写真を9月24日に女体山頂上付近で撮っていました。

ジュウモンジソウ(9月24日)

 鬼ヶ作林道沿いに、シオン科の野菊も綺麗に咲いていました。キタテハも2匹ほど確認しましたが、これからは、なかなか蝶々を見つけることができなくなるのでしょう。

シオン科の野菊とキタテハ

 桜の葉は色づき散り始め、道にはドングリや栗のイガがたくさん落ちていました。

桜の木の葉の紅葉とドングリ、栗のイガ

 もうすぐ11月です。本格的に寒くなるのでしょうか。

2021年10月22日金曜日

八幡平から裏岩手縦走路を大深山荘までハイキング

  10月14日に八幡平の畚岳(もっこだけ)から大深山荘までの縦走路を往復しました。

前日13日の八幡平は霧に包まれ、訪問したものの見通しが悪く登山は断念しました。ナナカマドの水滴がきれいでした。

八幡平山のナナカマド

14日は運よく快晴になり八幡平の麓は紅葉を迎えていました。

八幡平山麓の紅葉(10月14日)

八幡平山周辺から離れて、岩手山に向かう裏岩手縦走路を歩くのは初心者には無理かなと思っていましたが、大深山荘までの道は整備されていて、とても歩きやすい環境でした。5組程のパーティーとすれ違いました。紅葉の時期なので利用者が多いのでしょうか。

畚岳第二駐車場に車を止め畚岳登山口(裏岩手縦走路入り口)から畚岳に向けて歩き始め、途中の諸檜岳(もろびだけ)への分岐点から縦走路に入りました。

八幡平の畚岳

縦走路は尾根伝いなので遠くまで景色が見渡せました。

分岐点から諸檜岳までは2.4㎞ありましたが、比較的なだらかなアップダウンが続き周囲を見回しながら快適に歩くことが出来ました。

畚岳から諸檜岳への登山道

諸檜岳頂上からは、これから向かう縦走路の方向が良く見えました。嶮岨森(けんそもり)までは3.1kmあるようです。

諸檜岳頂上からの展望

諸檜岳と前諸檜の間には石沼(いしぬま)と呼ばれる比較的大きな沼があり、透明な水を湛えた湖面から石が飛び出ていて、綺麗なたたずまいをしていました。しばらく眺めました。

石沼

前諸檜から嶮岨森へはアップダウンが激しく、かつ道幅の狭い箇所もあるので注意しで歩く必要がありました。でも、崖から見下ろす景色がとても綺麗で感激しました。

前諸檜から嶮岨森への登山道からの眺望

嶮岨森頂上付近には名前のとおり険しい登りがあり、狭い峰を歩く登山道になっていました。このコースで一番注意が必要な部分のようでした。

嶮岨森頂上付近の景色

嶮岨森頂上からの眺望

嶮岨森頂上から大深山荘までは、道幅も広くなだらかで約1.6㎞程度の工程でした。

大深山荘では、男女二つのパーティーが休憩しておられました。

大深山荘

その後、3分程度のところに水場があるとの掲示板があったので、そのまま水場まで行き水を飲みました。冷たかったです。

水場周辺は草原で木道が設置されていました。松川温泉と大深岳の分岐点まで歩き戻りました。

大深山荘の水場から松川温泉分岐点まで

嶮岨森付近からの眺望は、紅葉が終わっていたにも関わらず本当にすばらしい眺めでした。今年はもう無理ですが、来年も挑戦したいと思いました。思い出になりました。

2021年10月21日木曜日

10月の姫神山登山とクジャクチョウ、シータテハ

    
     新型コロナウイルスの緊急事態宣言が930日に解除されたことから、10月中旬に「手抜き菜園」の様子を見に行きました。

9月中旬に草刈りをした後、草があまり伸びていなかったので、今回は周囲を整理するだけにしました。今年は、ほとんど収穫物なしで終わることになりました。

岩手にいる数日間で、初めて標高1,124mの姫神山に登ることにしました。

1012日は、石川啄木の出身地として良く知られている盛岡市「渋民」地区にある「一本杉登山口」から頂上を目指しました。

一本杉登山口には、登山者用の駐車場の他にキャンプ場が併設されていて、雨除け屋根のある炊事用の洗い場などがありました。周囲の草原には草花がたくさん咲いていました。

姫神山の一本杉登山口キャンプ場

所々に咲いていたオオツマヨイグサの大きな黄色い花が綺麗でした。花には小さなヒラタアブが訪れ、4分裂している柱頭の一つに止まっていました。

オオマツヨイグサ

 ヒラタアブのお尻の模様がきれいです。

姫神山のハナアブ(ヒラタアブ)の仲間

一本杉を眺めた後の登山道にはコンクリート支柱の階段が設置されていて、予想外にたくさんの階段がある登山コースでした。

五合目広場で少し休み八合目まで一気に登りましたが、頂上付近には大きな岩がたくさんあり、頂上は岩が集まってできているように感じた程です。

登山道の様子

頂上からは岩手県最高峰の岩手山(標高2,038m)の雄姿が薄霧から飛びぬけクッキリと見え感激しました。

姫神山頂上からの岩手山の眺望

岩手山に向かって左側方向には姫神山ウインドパークと呼ばれる9基の風車群が見えました。約1万世帯分の電力を供給しているとのことです。

姫神山の頂上から見える姫神山ウインドパーク

頂上間近までほとんど林の中を歩くコースになっているので、四方が見渡せる頂上に到着した際の達成感をとても強く感じました。

薄曇りの天気でしたが、周りに高い山のない孤立峰なので見晴らしが良く人気があるようです。頂上には若い女性の二グループが景色を眺めて休んでいました。登頂までの平均的なコースタイムは90分程度のようです。私は急いだこともあり70分でした。

下山後に、キャンプ場周辺の草地を歩き回りました。ノコンギクやシラヤマギクなどキク科の野草がノアザミなどと共にたくさん咲いていました。

歩き回ると早速クジャクチョウがいました。4匹ほど確認しました。七時雨山や八幡平山でも飛んでいましたが、今年はクジャクチョウが多かったのだろうか。

姫神山のクジャクチョウ

シータテハとキタテハも見つけました。みんな綺麗です。

姫神山のシータテハ

姫神山のキタテハ

野原を駆け回ると時間が経つのを忘れてしまいます。楽しいのですが、これでいいのだろうかと思うこともあります。


2021年10月20日水曜日

土浦市の小町山への登山

    今日(10月20日(水))は快晴でしたので土浦市の小町山に登りました。

朝日峠展望台に登り、その後小町山に向かい天の川コースで下山しました。9月30日にも同じコースを歩いています。

朝日峠展望台からの眺めはとても良かったです。晴天だったので、霞ヶ浦が綺麗に見えました。

朝日峠展望台から霞ヶ浦方面の眺望(10月20日)

最近かなり寒かったので、もしかして紅葉が始まっているのではないかと期待したのですが、9月30日に比べると道端の草は確かに枯れ始めていますが、木々の色はそれほど変わっていません。

   山々の様子 9月30日    10月20日      

残念なことに、お目当ての「もみじ谷」の木造の展望コースが令和4年3月15日まで工事中で、通行禁止になっていました。

もみじ谷の通行禁止(令和4年3月15日まで)

う回路があるので、舗装道路に出て下り、水源の森を通って朝日峠展望台に向かいました。

水源の森を抜け出て朝日峠の草原に向かう途中の道にヒヨドリバナがたくさん咲いていて、9月30日にはミドリヒョウモンが数匹蜜を吸っていました。

 
ヒヨドリバナ 9月30日    10月20日  

そのヒヨドリバナも今回(1020日)は花が終わり寂しくなっていました。

ミドリヒョウモン(雄) 9月30日

朝日峠展望台で土浦方面の展望を眺めた後、万葉の森を通って小町山頂上まで登りました。小町山頂上にはテーブルと椅子がたくさんあり、筑波山を見ながらゆっくりと休むことができました。

小町山頂上と筑波山の眺望

頂上の手前にある「もぐもぐ処」も整備され、霞ヶ浦の展望を楽しむことができました。

もぐもぐ処

もぐもぐ処から天の川コースで下山しましたが、下山途中の展望台や三段岩周辺の休憩所の椅子などが新調されていました。

三段岩付近の休憩所

杉木立の中を小川のせせらぎを聞きながら快適に下山できました。

下山後、小町の館まで歩く途中の道端にセイタカアワダチソウが咲いていました。また、小川の淵にはイヌタデがたくさん咲いていました。

  イヌタデ     セイタカアワダチソウ

イヌタデはナデシコ目の植物で、花の赤い色はベタレイン系の色素であると言われていたようですが、最近ベニタデにアントシアニンのシアニジン3-ガラクトシドが存在するとの報告1)が出ましたので、精査が必要になっているようです。

参考)

1)Wakako Takabe et al.: Identification of Antiglycative Compounds in Japanese Red Water Pepper (Red Leaf Variant of the Persicaria Hydropiper Sprout)., Molecules, 23, 2319(2018)

2021年10月19日火曜日

ひたち海浜公園のコキアとベタレイン系色素

   1016日(土)に茨城県ひたち海浜公園のコキアを見てきました。開園30周年とのことです。

ひたち海浜公園のコキア

コキアがまだ紅葉していない89日にも行きましたが、様々な乗り物やアスレチック、水遊び広場、大草原、自然の森などがあり、好みに応じてそれぞれ楽しめるようになっていました。

見晴らしの丘の様子

紅葉前の見晴らしの丘(8月9日)

コキアの紅葉の時期に訪れたのは初めてでしたが、ニュースで報じられていたようにたくさんの方が連なって、赤く染まったコキアを眺めていました。海外の方々も家族連れでたくさん来られていました。

見晴らしの丘からの眺め

見晴らしの丘からの眺め(8月9日)

8月9日に訪問した際には、「見晴らしの丘」一面が緑色のコキアに覆われていて、綺麗だなと思いましたが、やはり紅葉したコキアに覆われた丘はより一層綺麗に感じました。ネモフィラの開花時期にも来たいと思いました。

コスモスも綺麗に咲いていました。

満開のコスモス

たくさんの訪問客がいるので、様々な食べ物ショップが園内の道沿いに開店していて、人気店には行列ができていました。

イベントとして筑波山で行われる「ガマの油売り口上」が開催されていましたので見学しました。

また、サイクリングも初体験しました。園内を一周できるサイクリングコースが設けられていて、様々な場所に駐輪でき楽しかったです。公園内の全貌を良く知るためには、サイクリングが便利なようです。

サイクリングやイベントへの参加

コキアはヒユ科バッシア属の仲間で、和名はホウキギ(ホウキグサ)と呼ばれているとのことです。以前はヒユ科コキア属の仲間とされていたので、今でもコキアと呼ばれ親しまれているようです。

コキアの紅葉に関与する色素に興味を持ったので調べて見ました。

コキアは、ほうれん草やビート、アカザやシロザの仲間で、以前はナデシコ目アカザ科に分類されていて、現在はナデシコ目ヒユ科に統合されたとのことです。

不思議なことに、このナデシコ目に属するヒユ科などの植物は赤系の色素として独自のベタレイン類を含有していて、樹木などの紅葉に関与するアントシアニンは含有していないと言われていたようです。

その理由としてアントシアニン合成の後半部分が阻害されているためであることが、最近日本の研究者によって報告1)されていました。

コキアの属するナデシコ目のアントシアニン合成阻害

  コキアもアントシアニンを合成できないものと予想されるので、ウクライナの伝統料理であるボルシチに使用される赤ビート(テーブルビート)と同じ系統のベタレイン系色素が、紅葉の原因物質になっているものと類推されます。

 旧アカザ科のベタレインに関する研究は、キノアについて良く実施されていて、キノアはフィロカクチン(phyllocactin)とブルガキサンチン(Vulgaxanthin)を含有している2)とのことです。もしかしたらコキアも類似する化合物を含有しているのかも知れません。

旧アカザ科のキノアに含まれるベタレイン色素

 残念ながら、コキアそのものの色素に関する研究報告は見つけることが出来ませんでした。

ベタレイン色素は食品用の色素として利用可能なので、有機合成法による青色のベタレイン色素の開発も行われていました3)

 昨年(2020年)ノーベル賞を受賞したゲノム編集(クリスパーキャス9)など最新の育種技術によって青色ベタレインを生成するコキアが出来ると、カラフルになるな~と思いました。

 ナデシコ目のオシロイバナの花色もベタレインのようですが、確かに青色の花は見たことがありません。

参考)

1)Masaaki Sakuta et al. : Anthocyanin synthesis potential in betalain-producing Caryophyllales plants., J. Plant Res., 134(6), 1335-1349(2021)

2)Paula Henarejos-Escudero et al.: Development of Betalain Producing Callus Lines from Colored Quinoa Varieties (Chenopodium quinoa Willd)., J. Agric. Food Chem., 66(2), 467-474(2018)

3)B.C.Freitas-Dorr et al.: A metal-free blue chromophore derived from plant pigments., Science Advance, 6, eaaz0421(2020)

 

2021年10月18日月曜日

初秋の牛久沼、つくば市高崎自然の森への散歩

   コロナ禍の中で用事のない日は散歩が楽しみになり、9月27日は牛久沼に、10月4日には牛久沼から稲荷川沿いにつくば市の高崎自然の森まで散歩しました。 
   9月27日の散歩では稲刈りが既に終わっているようで、牛久沼付近は秋の気配が漂い始めているように感じました。 ウィンドサーフィンの姿は無く、雲魚亭ではシロハギの花が咲いていました。
牛久市観光アヤメ苑からの牛久沼の様子(9月27日)


牛久沼の遊歩道      雲魚亭のシロハギ

   散歩道では、ヒルガオ科サツマイモ属のマルバアメリカアサガオやマルバルコウソウ、マメアサガオの花を見つけました。青色、赤色、白色の小さなアサガオのような野草の花を同時に見たことはこれまでありませんでした。いずれも侵入生物データベース(国立環境研究所)に掲載されていましたが、それぞれ目を引く印象深いかわいい花だと感じました。 
 マルバアメリカアサガオ  マルバルコウソウ  マメアサガオ     

  最近は、蝶類について興味を持ち始めていますが、27日にはウラギンヒョウモンや、ルリシジミ、イチモンジセセリ、さらにヤマトシジミ、ヒメジャノメ、シロオビメイガなどの写真を撮ることができました。
  ウラギンヒョウモン ルリシジミ  イチモンジセセリ 
 
ヤマトシジミ  ヒメジャノメ シロオビメイガ

  牛久沼付近の散歩道にはカタバミが多いので、いつもカタバミを食草とするヤマトシジミをたくさん見かけます。卵や幼虫を時々探すのですが、数分で探索をやめてしまうためか、まだ見つけたことがありません。探すのは楽しいのですが、人目が気になり愛好家のレベルにまだまだ到達出来ていません。 
 10月4日には、牛久沼から稲荷川沿いに高崎自然の森まで散歩しました。 稲荷川の周囲は田んぼなので、川沿いに砂利を敷いた農道があり、道端の草花を見ながら楽しく散歩することができました。 
牛久沼から高崎自然の森までの散歩道

 マルバルコウソウの群落やシロヨメナの群落などがあり、ヨウシュヤマゴボウの花もたくさん咲いていました。 
マルバルコウソウ     シロヨメナ   

 高崎自然の森に行く途中では、キタテハとウラギンシジミの写真を撮りました。これまで珍しいと思っていたウラギンシジミに良く出会ったので驚きました。今回は5個体以上に出会ったように思います。
キタテハ        ウラギンシジミ

ウラギンシジミ

 牛久沼から80分ほど歩いて高崎自然の森に到着しました。 東屋のある池エリアから自然の森に入りましたが、第一駐車場に行く途中でコキアが赤色に染まりつつある様子を見ることが出来ました。 
つくば市高崎自然の森

 自然の森は結構広いようなので、次回は園内をくまなく歩き回りたいと思っています。