1月23日にいつもの牛久沼散歩に出かけました。
1月7日に雪が降り、その後も続いて早朝は氷点下になっているにもかかわらす、田んぼの土手にはオオイヌノフグリの花が咲いていました。本当に逞しい野草だと思いました。
オオイヌノフグリ(1月23日) |
オオイヌノフグリの花の青色は、アントシアニン(花色素)グループの基本化学構造5種類の中でも最も青色の濃いデルフィニジン配糖体によるものだということが分かっています。
天然にない青いバラを、サントリー㈱研究所が育成しましたが、これはバラに欠落しているデルフィニジン合成酵素を遺伝子組み換えによってバラに導入することで実現しています。
オオイヌノフグリの青色は確かに青いほど綺麗です。
野草に限らす、実は「フグリ」が青い程立派だと認められる動物がいるようです。話題になっているサバンナモンキーなどです。
オオイヌノフグリのフグリに似た種子は青色にならず、花びらだけが青色なので、正確に言うとフグリの色は異なるのですが、「フグリと青色」から連想するとイヌノフグリとサバンナモンキーが思い浮かびます。
さらに正確には、サバンナモンキーのフグリの青色は色素によるものではなくて「チンダル現象」だという説が見つかりました。
タマムシの翅の色はチンダル現象のように物理的なものなので、死骸の翅も色あせることはないのですが、もしサバンナモンキーの陰毛が物理的な青色であったら、動物園のイベントの景品にすれば人気が出るように思いました。
しかし青色に見えるのは、毛ではなくて皮膚の色のようです。皮膚にウロコより細かく、青色の波長を反射するヒダがあるのでしょうか。文献を調べたいと思いました。
様々な疑問が頭に浮かびますが、「イヌフグリ」という歌を大学の仲間数人が集まった送別会の席で、先生が歌って下さったのを思い出しました。
尊敬する先生だったので、フグリを何となく想像しながらも静かに聞いた覚えがあります。でも、歌詞も曲もすっかり忘れていました。
今回、気になったので「イヌフグリ」を手掛かりに調べたところ1950年代に、朝鮮戦争に出兵した人を思う歌とのことでした。大事な歌のようです。
最近、ゲオでビデオ「赤い闇」を借りて観ました。50年以上前の中学生の頃、ウクライナは穀倉地帯だと習い、それがウクライナに行ったことのない私の持つ印象でした。餓死した上の兄と暮らす兄妹の姿は強烈で一生忘れられないと思います。悲劇をつくってはいけません。
30代の後半に大岡正平の「野火」をつり革につかまりながら電車で読んでいて、不覚にも失神してしまったことは誰にも言っていませんでした。間一髪、担架に乗る前に覚醒して事なきを得たのでした。
登山やハイキングで「もののけ姫」の主題歌を歌ってその気になっていたのですが、これからは「イヌフグリ」もレパートリーに入れようと思いました。
オオイヌノフグリの学名はベロニカで、薬用植物として利用している国もあるよううなので、オオイヌノフグリの名称はかわいそうと思い、個人的に愛称を「ベロニカ」にしようと思っていたのですが、今回、歴史的にも様々な思い入れがあり、日本でこの名称が愛されていることが分かりました。
以前ブログに書いたように1)、抗ウイルス作用もあるようなので「イヌフグリ茶」を飲んで見ようと思っています。
牛久沼は静かでした。釣り人もたくさんいて、いつものように時が流れて行きます。
牛久沼(1月23日) |
牛久沼のほとり(1月23日) |
参考)